なかの歯科の訪問歯科診療
※動画を再生するときは音量にご注意ください。
当院では、通院が困難な患者様を対象に、ご自宅や入居し施設で口腔ケアや歯科治療が受けられる訪問歯科をおこなっています。当院16km圏内が訪問可能な範囲です(岡山市、総社市、倉敷市、赤磐市など)。
ご希望の方はお電話でご連絡ください。定期的なケアを受けて快適な生活をお送りましょう。
漫画で学ぶ訪問歯科診療
訪問歯科診療について、漫画(PDFデータ)で分かりやすくご説明します。歯やお口の健康状態は身体全体の健康に繋がるため、ご本人だけでなく、ご家族に高齢者のいる方も一読ください。特に下記症状がある場合は、歯科医や医師に診てもらうことをお勧めします。
- 食が細くなった。
- 口臭がひどくなってきた。
- 熱が出やすくなった。
- 風邪を引きやすくなった。
- 元気がなくなってきた。
※閲覧にはPDFソフトが必要です。お持ちでない方はAdobe Acrobat Reader DC(無料)からダウンロードしてください。
口腔ケア
口腔ケアとは、快適に生活できるようお口の中を清潔にケアすることです。口腔を定期的にケアすることで歯や健康はもちろん誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の予防にもつながります。誤嚥性肺
口腔ケアの目的
- 食事が楽しめる(よく噛める、むせない、咳き込まない)
- 口臭予防、お口が潤う
- お口の病気の予防(誤嚥性肺炎など)
- お口の病気の早期発見や治療
- 口腔機能の向上や維持
口腔と聞いて、お口の中をイメージされたかもしれませんが、喉を通して各臓器につながっています。実はお口に歯があると300種類以上の細菌が、数千億ぐらい口腔内に住みついています。しかも、適切な口腔ケアをしてない場合は1兆を超えるとも言われています。もし、この様な状況が続けば細菌は増殖して、歯や歯茎を蝕んだり、食べる機能を低下させていきます。
障害のある方は食べたり、飲んだりする機能が衰えている可能性が高いので、体力や免疫力、生きる気持ちにまで悪影響がでることもあります。
また、細菌が肺に入ると呼吸器感染症「誤嚥性肺炎」にかかりやすくなり生命の危機につながってしまうことがあります。
この様なことを考えますと、口腔ケアはお口を清潔にすることで、身体や生きる気持ちを守ってくれる必要なケアと言えます。
主なケア内容
お口の清掃
お口の清掃は、細菌の集合体であるプラークを除去します。患者さまによってお口の状態は様々なので、各自にあった清掃道具(歯ブラシ、歯間ブラシ、粘膜用ブラシ、舌ブラシ、スポンジブラシ、デンタルフロス、ガーゼなど)を使用しておこないます。
また、歯や歯茎だけでなく舌や頬の内側、上顎、喉まわりなどの細菌も掃除します。
含嗽(がんそう)
含嗽とは「ブクブクうがい」のことで、お口の中を清潔にする重要な方法です。この時に薬用成分の入った含嗽剤を使用することもあります。
入れ歯のお手入れ
入れ歯を使用されている患者さまの場合は、入れ歯の清掃・調整・修理などをおこないます。
入れ歯を掃除する時は義歯用ブラシや義歯洗浄剤を使います。
専門医による検査・治療
歯科医師によるお口の検査や歯科治療(虫歯、歯周病など)や、専門医師による内視鏡検査などをおこないます。
食や生活のアドバイス
お口は食だけでなく、呼吸やコミュニケーション(話す、表情)においても重要な役割を担っています。
その為、お口の中のケアだけでなく姿勢や食事メニュー、役立つ道具など、患者様の生活が向上するようアドバイスいたします。
介護高齢者の健康と食介護高齢者の健康の食ページもご参考にしてください。
お口の機能訓練
高齢や後遺症で麻痺のある方は、お口を動かしたり、食べ物を飲み込む動作が衰えている場合が多いので、摂食・嚥下診断や一連の動きがうまくできるよう機能訓練をします。また、摂食嚥下体操などの指導もおこなっています。
意識障害の方の口腔ケア
意識障害が起きると運動麻痺や知覚麻痺を伴うことが多く、自分でお口のケアが難しくなり、お口の状態も悪くなりがちです。また、重度の意識障害になると、ご自身だけでなく介護する方も困難になります。
口腔ケアはお口の中をを清潔に保ち、口臭やお口の病気を悪化させないだけでなく少なくなった唾液の分泌を高めたり、お口への刺激や声かけによって意識状態に覚醒を保たせ、体を機能維持させる効果があります。
まずは、できることから取り組みましょう。ここでは方法のひとつをご紹介します。
- 入れ歯の方は外して専用ブラシで洗いましょう。 ※毎日
- うがい。
- 歯が残っている方は、柔らかい歯ブラシで丁寧に磨きます。
- 舌や口の中の上顎部分、ほっぺの内側などもゆっくりと優しくこすります。
- 最後にもう一度うがい。
ご自身でできない時は、家族や介護スタッフの方に手伝ってもらうことが大切です。
口腔ケア用の吸引歯ブラシ
当院で口腔ケア用の吸引歯ブラシを作ってみました。
これは誤嚥でむせるのを恐れて歯磨きに水をつけれない方や、寝たきりで意識障害のある方に向いています。作り方は下記になります。
- 患者さまごとに点滴用のバッグとチューブを用意します。
- 歯ブラシの植毛部分に上下2カ所、チューブ用の穴をあけます。
- 写真の様につないで、吸引側チューブを吸引機か当院が持参するバキュームにつなぎます。
- 点滴用バッグに、水もしくは薬液を入れてフックにかけます。
- 後は、吸引機のスイッチを入れるだけです。
作りがシンプルなので滅菌消毒も簡単ですし、お値段も安価です。歯磨きは毎日おこなうことですから、改善できる場合は工夫することが大切です。