アレルギーがある方の歯科治療や関連知識をご紹介します。
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歯科とアレルギー
歯科治療では多くの種類の歯科材料や治療機器が使用されます。これらは人体にとって安全と認識されていますが、一部の方にとっては害のある可能性が報告されています。
歯科治療において特に大きな影響があるのは金属アレルギーとラテックスアレルギー(手袋の粉など)です。
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(医)なかの歯科クリニック
アレルギーとは
アレルギーとは、簡単に説明すると特定の物に身体が反応して何かしらの症状が出てしまうことを言います。
代表的なものを挙げると「金属アレルギー」「スギアレルギー(花粉症)」「食物アレルギー」が有名です。食物や金属の場合、特定の素材に限定されることが多いことから、小麦なら「小麦アレルギー」のように限定して呼ぶこともあります。
また、アレルギーは生まれつきの場合もありますが、ある日を境に発症することもあります。
アレルギーの症状
アレルギーは対象物に過敏に反応している状態で、症状としてはそれを排除しようとする生体反応で起こります。
例えば、身体がアレルギー対象を体外に出したいと命令した場合は「くしゃみ、涙、鼻水」となり、アレルギー対象を取り除きたいと命令した場合は「かゆみ」になり皮膚を搔きたくなります。
また、アレルギー反応はすぐに症状がでる場合もあれば、後々に症状が出る場合もあります。
特に重篤な場合はショック症状を起こし、呼吸器や血管系に影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
金属アレルギーと治療法
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金属アレルギーは最近になり増えはじめているアレルギーの代表格です。例えば、時計やネックレスを身につけるととかゆくなる症状です。
通常は特定の金属に反応するので「鉄アレルギー」とか「ニッケルアレルギー」のように素材名で呼んだりしますが、人によっては複数の金属に反応することもあります。
現代生活で金属に触れないことは困難なので注意が必要です。
金属アレルギーの検査
よく行われるのはパッチテストと呼ばれる手法です。このテストは背中や腕に試料を貼り、48時間後に除去した後「48時間後、72時間後、7日後」の皮膚反応を確認する検査です。
単純なので正診率は100%ではありませんが、それでも様々な理由から有用なテストのひとつとして採用されています。
お口の中の金属アレルギー
歯科治療で金属素材を使用することは多いため、この金属によってアレルギーが引き起こされている方が増えています。実際口の中の金属を取ったら調子がよくなった方もいるので、一部の方にとってはお口の中の金属が害になっていると言えます。
金属アレルギーの症状としては、手のひらや足の裏のかゆみが多く、症状が強いと水疱ができたり、爪の変色や変形が起きることもあります。お口の中の金属が原因なら、症状も口の中に出ると思われるかもしれませんが、その限りではないのが特徴です。その為、多くの方は最初に皮膚科へ行かれることが多いようです。
お口の中の金属元素分析
最近は、分析装置の発達で口の中の金属を取り除いたり、削ったりすることなく分析できるようになりました。
金属アレルギーに対する治療
- 対症療法
アレルギーの対象となる金属が特定できない場合や、原因除去が困難な場合などにおこなうのが対症療法です。
治療方法はステロイド軟膏や非ステロイド軟膏の外用治療(塗り薬)と抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、ステロイドの内服療法(飲み薬)などがあります。
- 原因除去療法
アレルギー金属が特定された場合の治療法。金属除去に際し、金属の削片を口腔内に飛び散らしたり、歯肉に迷入させたりすると体内吸収によりアレルギー疾患が一時的に悪化することがあります。
その為、金属除去後に症状の改善が認められてから、最終的な詰め物や被せ治療をおこないます。
- メタルフリー
金属除去後に、アレルギーの原因を含まない歯科材料で詰め物や被せをおこないます。特定の金属にアレルギーのある方は他の種類の金属にも影響がでやすいので、基本的には金属を使わないメタルフリー治療をおこないます。
ただし、この治療は保険適用できない自費診療となります。
アレルギーとストレス
現代はストレス社会と呼ばれるように、いたるところにストレスが満ち溢れ、さまざまなストレス病を生み出しています。
その為、ストレスが消化器や循環、呼吸器、内分泌系などに作用し「胃・十二指腸潰瘍や高血圧、狭心症、気管支喘息、甲状腺機能亢進賞(バセドウ病)」などの病気を引き起こす可能性があります。 最近は免疫機能にまで影響を及ぼし、ガンなどの疾患に関与する可能性があることが明らかになりつつあります。
また、今まで免疫機能とはあまり関連が無いと思われていた、ストレス病においても免疫系の関与が判明してきています。
免疫疾患の分類
生体は常に外界からウイルスや細菌、アレルゲンなどの危険にさらされており、体内においても悪性変化が絶え間なく引き起こされています。 ですが、人間には免疫監視機構が備わっているので疾患から身を守ってくれます。この免疫監視機構を脅かす因子は、大まかに生体外部と生体内部に分けられます。
それに対する生体側の免疫反応の異常も過剰反応と低反応に分けることができ、免疫系の失調によって生じる免疫疾患はどのような因子に対してどのような反応をするかは組み合わせによって決まります。
そして、生体外部からの因子に対して過剰反応をした場合はアレルギー疾患になり、低反応の場合は感染を生じます。生体内部の因子に対して過剰反応した場合は自己免疫疾患になったり、低反応の場合はガンに至る可能性があります。