自分の殻を破れ!
2月になれば楽になるから!
とスタッフに激を飛ばしていた私。
それが最後の最後でひっくり返る。
頑張っているスタッフに申し訳なく思いながら
自らの甘さを痛感する。
でも決して私はあきらめない!!
私はもうすぐ44歳になる。
日本人の男性の平均寿命を考えると、自分の人生において
既に折り返し地点を過ぎて、人生の後半戦に入った計算となる。
人生の後半戦を自分らしく生きて、最後まで輝き続けるためには
私は今何をして、当院のスタッフに何を伝えないといけないか?
私は常に自問自答している。
あのSONYのアイボの開発者「天外伺朗」さんの著書には
興味深い一節があった。
「生きている間に少しでも魂を磨きたい」と言う強烈な願望を誰しもが持っている。
魂の向上のことを、学問的には「意識の成長、進化」と呼ぶ。
既にトランスパーソナル心理学でそのプロセスが詳しく述べられている。
トランスパーソナル心理学によると
私達は意識の成長において直線的に歩いて行くのではなくて、多くの階層をステップ状に昇ってゆく。
しかしこの階層をひとつでも登るのは容易ではない。
変化することに私達自身が恐怖感を覚えて、必死になってブレーキをかけるからだ。
なぜブレーキを掛けるのかと言うと、階層を登ることによって、自分自身が
破壊されるのではないかと言う「死」にも似た恐怖感を強く持つからだ。
これは自己の自己保存法則から自然に出てくる恐怖で「タナトス」と呼ばれる。
タナトス?人は変化を恐れるようにできている。
私はいつも人の体の解剖学を学ぶ時、人体って何て精巧に全く同じように
できているのか?と驚嘆の声を挙げることが多いのだが、
人間の心理も同じようにできているものである。
人は同じように考えて、同じように行動するように自然にプログラムされているのだ。
そう人は変化を恐れるようにできているのだ!
実は私は大学まではとても引っ込み思案な人間だった。
赤面症で、緊張したり、失敗すると、すぐに顔が真っ赤になる。
その赤面症が私は本当に本当に嫌で嫌でたまらなかった。
歯学部の学生時代に、私はある先生に少し惹かれていた。
その先生は小児歯科の教室の先生!
とてもスレンダーで綺麗な先生だった。
その先生が私のことを「あの顔がすぐ赤くなる人ね!」と言っているのを
私はたまたま聞いてしまった。
とても悲しく意気消沈して自分の赤面症を心底憎んだものだ。
また緊張すると、どもることも度々あった。
どもらないように、どもらないように思うと余計どもってどうしようもなかった。
どもった後は自己嫌悪で自分が嫌で嫌でたまらなかった。
それなので人前でスピーチをするのが本当に恐怖だった。
背は低い、頭はでかい!
そのうえ極度の近眼で、赤面症の上に、ドモリ!
歯並びは最悪で虫歯の銀歯だらけ!!
誰がこんな私のことを一体好きになってくれるのか?
悲しい私の青春時代!
しかし私は自分のセルフイメージを変えて
人前で講演やセミナーの講師を努めるまでになった。
(今ではドモリはしないが、それでもよく噛む!)
私は少しだけ変化することによって大きな何かを得ることができた。
変化を楽しみたい!
そう思った私は昨日の日曜日にいつもの散髪屋さんに
出かけて、カットと髪染めを頼んだ。
髪の変化を楽しみたかった私の白髪は見事に染まり
茶髪へと変身した。
しかし中年のおっさんの茶髪は何だかかっこ悪い!
無理に若作りしている中年のようで、何だか何だかかっこ悪い!!
やはり変化は恐怖である。