ホテル体験記 「 グランドハイアット上海 ( 中国 ) 」
私はこのホテルに泊まりたくて上海に行ったのかもしれない。 それほどホテルラバーの私はこのホテルにここ数年間熱い思いを寄せていた。 そしてその思いがとうとう適うときが来たのだ。
上海浦東国際空港からタクシーに乗った私は運転手にこのホテルの名を告げた。 空港からは高速を飛ばして50分でグランドハイアットに着いた。 世界で一番高い場所にあるホテルとは聞いていたがタクシーでホテルに近づいた私は天を見上げて驚いた。 「高い!」摩天楼とはこのホテルのことを言うのかもしれない。
グランドハイアット上海は世界第3位の高層ビル金茂タワーの54階から87階を占めていて、客室からは近未来的な東方明珠テレビ塔も目の前に見える。 その向こうにはバンドと呼ばれる上海の植民地の面影を残す古い建物が建ち並ぶ。
新旧、そうヨーロッパとアジアが混在しているこの上海は本当に今世界で一番エキサイティングな街なのかもしれない。 今回はハイアットのポイントを利用してスイートにアップグレードしたために1350元、日本円で20000円弱の値段でグランドハイアット上海の地上400mの虚空に浮かぶホテルライフそれもスイートライフを堪能することができた。
スイートはベッドルームの両面が天井までガラス張り!電動のカーテンをオープンすると、そこには上海の今が400m下に広がっている。 バスルームからも東方明珠テレビ塔が直ぐ目の前にそびえる。
アジア的なインテリアの中、バスルームのシンクやシャワーブースは近代的にデザインされていて、そのミックス感が堪らなく滞在を快適にさせる。
レストランも充実している。 24時間オープンの「グランドカフェ」では24時間上海料理も堪能できる。 「クラブジンマオ」はメインレストラン。上海料理を現代風にアレンジしていて、それも決して高くはない。
「カントン」は名前の通り広東料理のレストラン。 飲茶でも十分楽しめるし、中国茶もさすがに種類が豊富で素晴らしい。 天空にそびえるプールもフィットネスも宿泊者は無料と聞けば、何度も通わない訳にはいかない。
東京のパークハイアットより高い場所にあり、景色も設備も本当に素晴らしいプールだった。しかしこのプールもフィットネスも利用者が少なくゆったりと利用できた。 ハイアットのホテル会員であれば例え平会員であっても簡単なブレックファーストが無料でお部屋に配達される。
普通はコーヒーが無料のみなのでここのサービスは特筆に価する。 朝ご飯はこの無料のシンプルなブレックファーストで十分満足である。 普通にお部屋でのルームサービスの朝食を頼んでも1000円から1500円程度の安い価格帯のものもあり、さすがに日本よりかなり物価は安い。
私が一番このホテルが楽しめたのは大晦日のカウントダウンだった!宿泊者は無料でラウンジのカウントダウンパーティに招待される。 このラウンジは56階にあり、87階までの吹き抜けのアトリウムは圧巻である。
カウントダウンパーティはDJの大音響の音楽で踊りながらカウントダウンを待つのだがラウンジは人で一杯だ。 新年と共におびただしい数の風船が87階のアトリウムから一斉に落ちてきて誰もが我先にと無料のシャンパンを飲みながら風船を足で割る。
どうやらここの恒例らしい。 私はこのカウントダウンをいたく感激したために、毎年ここでカウントダウンも悪くないと勝手に思いを募らせるのであった。 ポイントを使ったとはいえ2万円であのスイートは日本では考えられない。
中国のホテルのサービスは格段に上がっている。 85点。