バンコク医療視察 その2
19日土曜日の朝の10時
ある会議室に私達は集まった。
19日から3日間開催されるバンコクの
医療現場の視察に関する注意事項を聞くためだ。
今回は3日間でバンコクの今の医療施設だけでなく、
有名な商業施設も視察してゆく。
2時間程度のセミナーを受けた後は、まずはエンポリウムと言う
ショッピングセンターのフードコートでランチを取った後、
スクンビットにあるブムラングラッド私立病院へ向かった。
この病院は私立病院だが、日本と違って株式会社が経営する病院だ。
そのために病院の株式を一般に公開している。
受付から、驚いた。
日本の病院を想像すると全く違う!
まるで高級ホテルのフロントと見間違うばかり!
受付の置くには、ブテックやレストランがテナントで入っている。
スターバックスはもちろん、マクドナルドも24時間営業で営業をしている。
エンポリウムのフードコートより、高級そうな広いフードコートまである。
この病院は株式会社が経営する病院であるので、
売り上げから利益まで全て一般に公開をしている。
その数字によると、患者さんの40%が外国人!
リセプションには、日本人用、中国人用、韓国人用、アラブ人用、西洋人用、タイ人用と、国籍や地域、言語により、分かれていて、その受付には全て、
その言語を話す通訳とコーディネーターがあるとあらゆる相談に乗ってくれる。
総合病院なので歯科も、もちろんある。
アメリカの歯科と同じように、一般歯科だけでなくて、根管治療専門医、補綴専門医、口腔外科専門医と、専門医で別れて、チーム医療を行っていたのには、驚いた。
タイの医療水準が高い噂を聞いてはいたのだが、ここまで凄いとは思ってもいなかった。
タイの国には、日本と同じように医療保険が存在するが、
その保険を使うと決められた公立の病院では、無料で医療サービスが受けられるらしい!
ここは日本より凄い点でもあるが、その公立での病院の医療レベルは
決して凄く高いことはないらしい!
また以前「30バーツ政策」と言ってどんな病気でも1回の治療費が
格安の30バーツ(日本円で90円程度)の政策を政府が取ったために
急激にタイの医療は窮地に追い込まれた経緯がある。
そのピンチから立ち直ったタイの医療の水準は高い!!
この私立病院は私立なので、全く公的な保険は使えない。
全てが自費診療となる。
タイのある程度お金に余裕のある人たちや、日本人の駐在員や、
アラブのお金持ちが、わざわざこの病院に治療を受けに来るらしい!
歯科の治療費も自費治療に関しては、インプラントやホワイトニングも
日本のおよそ半額程度の価格である。
スタッフの数も多くて、ホスピタリティ、思いやりに溢れる対応が見ていて、
気持ちがいい。
恐らくタイの安い労働力、人件費、建設費や、インフラの費用に支えられての、
経営であるのだろうが、日本の病院の進むべき1つの道が、ここにあるのかもしれなかった。
日本の病院の多くが赤字経営している。
病院が倒産して、一番困るのは、患者さんだろう!
株式会社が病院を経営することは
まだ日本では許されていないが、
バンコクの医療は日本の数年先を
走っていると私は感じた。