バンコク医療視察 その1
金曜日の診療を終えて
遅い夕食を取り、妻に岡山駅まで車で送ってもらって
夜9時過ぎの名古屋行きの「のぞみ」に乗り込んだ。
深夜便のバンコク行きのTGは関西空港を深夜の1時25分に出発する。
関空快速の最終便で関西空港へ到着した時は、既に夜の11時半を回っていた。
私は、深夜便は得意ではない!
なぜなら神経が図太くない私は、飛行機はもちろん、
慣れないホテルでもなかなか眠る事ができない!
しかし、真夏のバンコクで寝不足は一番健康に悪い!
そんな私なので、今回の深夜便に対抗するために、ある秘密兵器を用意していた。
その秘密兵器とは?
BOSEのノイズキャンセリングヘッドホン!
以前から全日空の機内誌で気になっていた欧州線のファーストクラスで
採用されているノイズキャンセリングヘッドホン、これさえあれば
例え慣れないタイ航空の深夜便でも、騒音と雑音をカットする事で私に
就寝と言う大きなプレゼントを授けてくれるはず!
その目的で私は荷物にこのノイズキャンセリングヘッドホンを入れていた。
飛行機が離陸して、上昇を続けて、シートベルト着用サインが消えた時
私はおもむろに手持ちの荷物からノイズキャンセリングヘッドホンを取り出して
装着してスイッチを入れた。
オー!全然違う!!
機内の騒音がかなりカットされるのだ。
これで、これで、眠る事ができる!!
うれしくて涙が出そうになった。
1時間後、私はまだ眠りに付く事が出来ないでいた。
その頃、私の体にある異変が起きた。
頭が締め付けられるように痛いのだ。
どうやらこのノイズキャンセリングヘッドホンは普通の欧米人の
扁平な頭用に出来ていて、私のような典型的な東洋人の大きな頭には
小さすぎるらしい!
締め付けがきつ過ぎて、頭が痛い!!
ヘッドフォンを取ると、頭の痛みは取れるが、騒音がひどい!
嵌めると騒音は少なくなるが、今度は頭痛がひどい!!
取ったり付けたりしているうちに、バンコク到着の2時間前となり
朝食が運ばれてくる。
結局、機内で一睡も出来なかった。
バンコクへ到着したのは、現地時間の午前4時30分!!
寝不足のまま、バンコクの新しい空港から初めて、外に出た私は
病院視察の集合時間の午前10時まで5時間以上あるので
新しい空港でトランジットホテルを探した。
シンガポールなど乗り継ぎの拠点、ハブ空港となる空港には必ず
トランジットホテルがあって、1泊だけでなく、時間単位で部屋が利用できる。
3時間程度、トランジットホテルで休もう!!
そう考えた私は、タイの入国診査を終えて、大きな荷物をガラガラと引っ張って、トランジットホテルを探した。
あった!
ノボテルのバンコクの空港のホテルだ。
空港から駐車場を抜けて、ホテルへ付いた私は、少しだけ怖気づいた。
私が想像していたトランジットホテルより、かなり立派で高級なのだ。
時間で部屋を貸してくれるのか?凄く高いんじゃない??
そんな思いが募って、ホテルのフロントに入らないで目の前のタクシーに飛び乗った。
私のバンコクでの医療視察は睡眠不足で始まった。