歯科金属アレルギーとは？ – 歯科医師からのアドバイス

1. 歯科金属アレルギーの背景

歯科治療では長らく、金属材料がその耐久性や強度のために愛用されてきました。
特に日本では金銀パラジウム合金が今でも、そして長い間使用されています。
そのため、少数の方ではありますが歯科金属に対してアレルギー反応を示す患者さまがいます。
これは歯科金属アレルギーとして知られています。

2. アレルギーのメカニズム

アレルギー反応は、免疫系が本来無害な物質を敵として攻撃する結果として生じます。
歯科金属アレルギーの場合、ニッケルやクロムなどの金属イオンが唾液や
食品と反応して、アレルギーの原因となる物質を生成することが考えられています。

3. 主な症状

口内の赤みや腫れ
唇の荒れやひび割れ
舌の炎症や変色
味覚の変化
口内炎や発疹
手足の先の発疹やただれ

これらの症状は他の原因によっても引き起こされるため、正確な診断が重要です。

4. リスクの理解

歯科治療に使用される金属が全ての患者でアレルギー反応を
引き起こすわけではありません。
しかし、アレルギー体質の方や既に他の物質で
アレルギー症状を経験している方は注意が必要です。

5. 代替治療材料

幸いなことに、現代の歯科医療では金属を
使用しない代替の治療材料も開発されています。
セラミックやジルコニア、プラスチック製の詰め物や
クラウン、チタン製のインプラントなど、多岐にわたる
選択肢があります。

チタンはアレルギーを起こしにくい金属ではありますが
まれにチタンでアレルギーを起こす方もいらっしゃいます。

6. アレルギーテスト

疑われる金属アレルギーがある場合、事前に
皮膚科でのパッチテストを行うことで、アレルギー物質を
特定することができます。

しかし、このパッチテストは保険で行うと
と皮膚科の先生の手間が凄くかかる上に
保険点数は凄く低いので
嫌がる皮膚科の先生が多いことも事実です。

7. 歯科医師とのコミュニケーション

治療前に歯科医師や衛生士としっかりとコミュニケーションをとることで、
安全かつ適切な治療を受けることが可能になります。

8. 今後の展望

科学技術の進化により、さらに多くのアレルギーフリーの治療材料が
開発されることが期待されます。また、個人のアレルギー体質に合わせた治療法により、
より安全な治療が提供されることが期待されます。

9. まとめ

歯科金属アレルギーは、歯科治療を受ける際に考慮すべき重要な要因の一つです。
歯科医師との適切なコミュニケーションと、最新の医療技術を利用することで、
安全かつ快適な治療を受けることができるでしょう。

以上が、歯科金属アレルギーに関する詳しい情報とアドバイスとなります。
この情報が患者様の安全で快適な歯科治療の参考となることを願っています。

岡山の歯医者
「なかの歯科・矯正歯科クリニック」 院長中野 浩輔

• 昭和62年3月 岡山大学歯学部 卒業
• 昭和62年4月 岡山大学歯学部第一補綴科 研修医
• 昭和63年4月 岡山大学歯学部第一補綴科 文部教官助手
• 平成4年4月 「なかの歯科クリニック」を開設

当院は、岡山市北区矢坂東町での開院当初から3つのスローガン「待たせない」「痛くしない」「よく説明する」を掲げた歯医者作りをしています。