大阪のタクシ-
朝、ANAの羽田始発の岡山便で
岡山に帰る。
昨日は東京のホテルに宿泊!
案の定、私の眠りは浅く3時間程度の
睡眠時間!
家から一人で一歩外に出ると、ほとんど不眠症のこの私。
高級なホテルは必要ない!しかし安っぽいホテルでは全く眠れない。
44年間この体と意識に付き合って来て、やっと少しだけ意識には
余裕が出来るも、体はヘトヘトになって岡山に帰る。
水曜日の夜、診療を私だけ一歩先にあがって新幹線で大阪を目指す。
大阪駅の近くのホテルでこの世界ではとても有名な方とお会いして
打ち合わせをするためだ。
私は今の日本の歯科の世界を本気でよくしたい。
そのためには身を粉にしても本気で頑張る。
日曜も木曜も祝日も全て返上してここ数ヶ月行動してきた私だが
のぞみの自由席でもみ合いながら新大阪に向かうと
持病の肩こりが段々ひどくなってきた。
新大阪に到着した時は吐き気さえ催していた。
まずい!今から大切な打ち合わせの時間だ。
いつもは大阪まで電車で移動して大阪駅からホテルまで歩いて向かう私だが
今回だけは私の疲れ切った体に考慮して新大阪の駅からホテルまで
タクシーを利用しようと思った。
少しの贅沢だが今の私には必要不可欠と思った。
新大阪の駅を出てタクシー乗り場に向かった私は
乗り場が3箇所に分かれているのを見てかなり戸惑った。
近距離向け、中型乗り場、小型乗り場の順でそれぞれ列が出来ていた。
近距離ってどこまで?
私のようは田舎物で素朴な疑問を持つものはどうやら多いらしく
大きな看板が掲示されていて近距離とは3キロ未満!
同心円が地図上に描かれていてここまでが新大阪から
近距離ですよと示されていた。
大阪駅周辺のホテルは3キロ以上になるために近距離の円からは外れていた。
この近距離とは3キロ以上は利用してはいけないのか?
その答えはどこにも書かれていなかった。
地図できちんと大きく表示されているので私は近距離の乗り場から
次の乗り場へと向かった。
近距離ではないが長距離でもないのでタクシーの運転手さんに悪いなと言う気持ちが働いて、私はいつもの小型乗り場ではなくて中型乗り場に並んでいた。
少しでも運転手さんの稼ぎが多くなると思ったからだ。
新大阪の駅前からタクシーは大阪駅前のホテルへと発進した。
いきなりタクシーの運転手の方が口を開いた。
「お客さん!今度から近距離に並んで下さいね!私達は長距離を期待しますから!!」
えっ!私はいきなりの先生パンチにグーの根も出ない。
「近距離はお金で言うと2000円位ですかね!2000円以内はこんどから必ず近距離に並んで下さいね!」
2000円大きな看板の近距離の基準と全く基準が違うではないか?
運転手さんの大阪弁のイントネーションでの私への説教は続いた。
「すみません!次から気をつけます。」
「いや、私はこの年ですからお金のことはどうでもいいんです!
しかし中には怒り出す若い運転手もいますから、私がこうして説明しているんです。」
新大阪から大阪駅の前のホテルまで延々と私への説教は続いた。
私は居心地の悪さを体中で感じながら、少しでも早く到着することを祈った。
やっとホテルに到着した私は確かに2000円以内だが
1800円のタクシー代金をクレジットカードでの支払いをお願いした。
タクシーの窓にはクレジットカードが使えますと大きく書かれていた。
「すみません!お客さん、クレジットカードの端末がトランクに入ってるんで、凄く時間がかかりますが!」
私は2000円を現金で支払い、きちんとお釣りを現金で受け取るのだった。
たかが2000円かもしれないがこの2000円は
私が本気で汗水たらして働いて稼いだ2000円だ。
その大切な2000円を払うことに私は大きな抵抗感を感じた。
結論!大阪のタクシーは怖い
ある意味大きなプレッシャーを感じる。