奈良の木原先生CSTPCセミナー
何か数か月前から
なかの歯科クリニックは急に忙しい!
「YouTubeを見たから!」
「グーグルのクチコミを見たから!!」
「友達の紹介で!!!」
先月の4月もGWで実日数は少ないにも関わらず
全くの新規の患者さんが140名を超えた。
140名の新患なんて開業30年を
越す歯科では普通には考えられない!
バブルか?しかしバブルは、いつかは崩壊する!!!
この土曜、日曜に、私は福岡に行き
最終日となるCSTPCと言う奈良の木原先生の
治療計画構築セミナーに参加した。
私は近所の歯科医師の先生にこのセミナーを
紹介して貰って、まずは倉敷で開催されていた
規模や日数は半分のミニセミナーに参加して
その後は本セミナーへと移行した。
木原先生のセミナーは目からうろこが落ちた。
私たち岡山大学歯学部卒業生は
岡山大学予防歯科の影響を色濃く受けていて
患者さんの残すことが出来る歯は一日でも
長く残すことが美学と思っていた。
しかし、その美学は時々患者さんからの
強いクレームに変わった。
特に神経を取っている失活歯の取り扱いに
私は長年困っていた。
治療がやっと終わった方の、神経を取った失活歯が
歯根破折(しこんはせつ)と呼ばれる、
薪を二つに割った状況に陥り、抜歯以外の選択肢が
無い状況に良く追い込まれるのであった。
特に、噛み合わせが悪い方、歯列不正がある方
夜間の食いしばりや、歯ぎしりが強い方には
この影響が顕著に出た。
木原先生はこの影響を考慮して
リスクがある方の失活歯は多くの歯を直ぐに
抜歯してインプラントを入れられていた。
「最初からきちんと今後のリスクを説明して
患者さんの同意が得られると
その歯を今抜いていいんだ!」
私の肩から重いものが降りた瞬間だった。
「抜いていいんだ!」
「やはりこの場面では天然歯より
インプラントの方が強いんだ!」
でも木原先生でさえ、インプラントが付かなくて
撤去する場合もあるんだ。
今までのセミナーでは、いわゆる
「チャンピオン症例」と言って一番上手くいった症例を、
学会や症例発表会に提示することが多かったのだが、
木原先生は時々、「これは決して学会では
提示できない症例だけど!」と前置きをして、
リアルな症例を提示して頂いた。
全てが学びの時間だった。
全ては患者さんのために!
今日も院長希望と、数年ぶりに当院に舞い戻って
来られた患者さんが再来初診として何名も来院された。
その方々が10年近く前に当院に通われていたのだが
何らかの理由で当院の治療を中断されて
近所の他の歯科医院に長年通われていて
多くの歯を治療済みだったが、、また何か
理由があって、当院に舞い戻って来られていた。
どの患者さんも、女性で、2名は年齢は60歳を超えていて
ほとんどの歯が神経を取った失活歯であった。
私より若い女性の方も、全ての歯の神経を抜かれていて
全ての歯に保険の銀歯や前装冠が入っていた。
日本の保険診療は歯の神経を取る治療が
金額でいえば凄くお安いので、多くの歯科医院では
簡単に患者さんの歯の神経を取り、ガッと歯を削り
保険の銀歯を入れる。
保険で稼ぐためには、それが一番儲かるからだ。
その上、既に他院で歯を抜いた欠損の部分も多く
保険内の部分入れ歯を嵌められていた。
今までは100%保険の範囲内での治療を受けられていて
今回もまた保険の範囲内で、院長希望で、全ての
悪いところを治したいと言われる。
「すみません、あなたは、まだお若い方ですが
今後は、上の歯はどんどんと失われていって
10年後、15年後に総入れ歯になれば
やっと落ち着くと思われます!」
そう宣言する私は、果たして悪い歯医者なのであろうか?