倒産する歯科医院
歯科衛生士が介護施設で
口腔ケアをしたところ、
インフルエンザの発症率が
10分の1になった。
20%や30%の減少ではなく、90%もの減少だ。
そんな事例を、NHKの「試してがってん」の番組が紹介したことが
大きな波紋を呼んでいる。これは正しい情報なのか?情報に信頼性はあるのか?
当院も、15年以上介護施設で、専門の歯科衛生士が口腔ケアを行っているが、
インフルエンザが10分の1まで少なくなった事実はない。
インフルエンザの権威の先生に聞いても、そんな話は聞いたことがないと言われる。
この情報がガセネタであれば、また一段と歯科医師の信頼性は失われる。
最近、顎関節症(がくかんせつしょう)で、来院される方が増えた。
顎関節症(がくかんせつしょう)には、3大症状がある。
1、関節雑音 顎を動かすと、カクンや、カックンや、ゴリゴリと音がする
2、痛み 顎の周辺や、顔の筋肉に痛みや圧痛を感じる
3、運動障害 大きく口を開けることが出来ない まっすぐに顎が開かない
そんな症状を訴えて、歯科医院に来院される方が、またここ最近増えてきている。30代前半の女性に多く、女性は同世代の男性より、2倍以上多く発症する。
以前は、スプリントと言うマウスピースを使って治療することも多かったが
最近ではマウスピースすら使わないで、簡単な理学療法で、
痛みや運動障害を治すケースが増えた。
しかし、ここで大きな問題が生じている。
日本の健康保険に認められた顎関節症(がくかんせつしょう)の治療の
オプションがほとんどないことだ。
私がいた岡山大学病院には、顎関節症(がくかんせつしょう)の治療には高度先進医療が認められていたので、保険と自費と組み合わせての治療が可能だったが、開業医で、保険内での治療を希望された場合、スプリントを使わないと
ほとんど算定できる項目がないのだ。
どんなに一生懸命に顎関節症(がくかんせつしょう)の治療を行っても、
医院に入るお金、も患者さんに請求できるお金も、ほとんど無い。
ストレスが増えて、女性の社会進出が増えている今、今後、顎関節症の患者さまは今より増えると私は想像する。
歯科は医療の世界で一番のワーキングプアと叫ばれている中、
今から歯科医師を目指す人たちが、将来明るい未来を想像できる社会には何とかならないものか?
私は自ら進んで歯科医師の道を目指して、地元の岡山大学歯学部に何とか入れたので待望の歯科医師となった。
歯科医師の仕事を、私は天職と思っている。
しかし、そんな私でも、自分の子供に、同じ歯科医師になるように薦めるつもりは全く無い!
これからは、歯科医師より
医師のほうが100倍将来性がある。
「東京で保険診療を行っている歯科医院は、1日に1件のぺースで廃業、
または倒産している。」
いよいよ、歯科医院の倒産バトルが始まった。
3年後には地方にまで波及して、多くの歯科医院が倒産するだろう。
厚生労働省の描く、日本の
歯科医院の将来像は、何だろうか?