コロンボの熱い夜!!
シンガポールチャンギ空港は乗り継ぎにはとても優れた空港である。
無料のインターネットがいたるところにあるし、もちろん24時間オープンしていて
あらゆるサービス面で優れていて、あの成田空港とはえらい違いを感じる。
今回5時間の乗り継ぎの時間が合ったので、嬉々としてサービスカウンターへ進んで、無料の市内観光を申し出た。
シンガポールでは乗り継ぎの時間が4時間以上あれば
何と無料で市内観光が楽しめるのだ。
「4時20分に最終のバスは出発しました!」
時計を見ると、4時50分!やはり下調べをするんだった。
後悔先に立たず!
仕方が無いので、空港のプールでぼけっとすることにした。
水着はスーツケースに入れたまま、コロンボまでスルーで預けているので、空港の中を走り回ってスポーツショップで水着を購入した。
シンガポールからコロンボまでの夜の9時半出発のキャセイパシフィックは、5時間前に到着した全日空とかなり様子が違っていた。
ほとんどの乗客がスリランカ人?色が黒くて、独特の体臭がきつい。
欧米人の姿もほとんどなく、アジア人、それも日本人の姿は私だけである。
ほとんど真っ黒なスリランカ人、それもなぜか若い男性がほとんどだ。
楽しみにしていた機内の映画の放送が、なぜかこの便にはなくて
3時間半の時間がとても長く感じられた。
今回、私はビザがない!無事入国できるのだろうか?
またホテルにリクエストした空港からホテルへの往復の送迎の返事を
もらっていない。
私はホテルまでちゃんと行けるのだろうか?
家族の顔が目に浮かび、一人で機内にいる自分を改めて寂しく思った。
独特の匂いと雰囲気のなか、機内は若い男性のスリランカ人で混雑していた。
荷物を上げるときに、斜め後ろのスリランカ人の女性の方と目が合った。
機内には珍しく若い女性だ。
それも凄い美人である。
昔日本でも流行ったインド映画の女優さんのように
彫りの深い顔がとてもエキゾチックである。
3時間半のフライト中、なぜか私は彼女と何度も目が合った。
そう、何度も!何度も!!
スリランカの熱い夜?新しい恋が生まれそう??
何て思いがふと頭を過ぎる。
いかん!いかん!!これじゃー○○モナと呼ばれてしまう。
妄想を消し去ってしばしの眠りに付く。
スリランカ現地時間の夜11時前にコロンボの国際空港へ何とか私は到着した。
ビザのことで頭が一杯だった私は、少しでも早く機内から女性が
私の後ろに並んでいた。
何か?背中の神経が少しだけ過敏になっている感じがした。
体の神経が背中に集中するのを感じた。
その時だった!
「HELLO(ハロー)」
後ろの美人が私を呼んだ
えっ!私に声を掛けている??
咄嗟の判断が出来ない私に、そのスリランカ美人はもう一度声を掛けた。
「Hello!!(ハロ-)」
声を掛けている!この私に!!間違いない!!!
ここはスリランカと言えでも、女性に恥をかかせる訳にはいかない!!!
満面の笑みを湛えて、思い切って「ハロー!」と言いながら
振り返った私はそこで綺麗な人が携帯電話で、
誰かと話しをしている光景を見るのだった。
オーマイガーッ!!
気まずい!大きな勘違いだった。
機内にいた若いスリランカ人の男性が一斉に私のほうを見た。
そんな気がした。
「お願いだから機内での携帯電話やめてね!」
「勘違いするからね!!」