最近の日本の歯科はジルコニアの使用が増えています。ただジルコニアにも光と影があります
最近の日本の歯科はジルコニアの使用が増えています。ただジルコニアにも光と影があります
こんにちは、岡山なかの歯科・矯正歯科クリニックの院長、中野浩輔です。
近年の日本の歯科治療において、ジルコニアという素材が注目を集め、実際の臨床現場でも使用が大幅に増えてきました。当院でもインプラント治療や被せ物(クラウン)、ブリッジなどにおいてジルコニアを採用する機会が非常に多くなっています。
ジルコニアは「人工ダイヤモンド」と呼ばれるほど硬く、美しさと強度を兼ね備えた素材です。しかし、どの素材にもメリットとデメリットが存在するように、ジルコニアにも光と影があります。本日は患者さまに分かりやすく、この点についてお話させていただきます。
ジルコニアの「光」―大きなメリット
1. 強度と耐久性
ジルコニアはセラミックの中でも群を抜いて強度が高く、金属に匹敵する強さを持っています。そのため、奥歯のクラウンやインプラントの上部構造にも適しています。噛む力が強い方や、長期的な耐久性を求める患者さまには大きなメリットとなります。
2. 審美性の高さ
従来の金属を用いた被せ物と異なり、ジルコニアは白く透明感があり、天然歯に近い美しさを再現できます。特に前歯の審美治療では「笑った時に金属が見えてしまう心配がない」という点で患者さまから高い支持を得ています。
3. 金属アレルギーの心配がない
金属を使用しないため、金属アレルギーのリスクがないことも重要なポイントです。アレルギー体質の方や、長期的に安心して使用できる素材を希望される方にとって安心できる選択肢です。
4. プラークがつきにくい
ジルコニアは表面が滑らかで、プラークや着色が付きにくいという性質があります。そのため、虫歯や歯周病のリスクを低減でき、長期的に清潔な状態を維持しやすいのも利点です。
ジルコニアの「影」―注意すべき点
1. 過剰な硬さによるリスク
強度が高い反面、その硬さが対合歯(噛み合う歯)を傷めてしまうリスクもあります。特に噛み合わせが不安定な場合、天然歯の摩耗や欠けの原因になることがあります。
2. 色調の限界
近年は改良が進んでいるものの、天然歯の微妙な透明感やグラデーションを完全に再現するのは難しい場合があります。特に、審美性を最優先する前歯ではオールセラミックやE-maxの方が適していることもあります。
3. 割れるリスクはゼロではない
非常に硬い素材とはいえ、強い衝撃や長年の使用による疲労で割れる可能性はゼロではありません。特にブリッジなど広い範囲を支える場合は、設計や力の分散が重要です。
4. 費用の問題
保険診療では使用範囲が限られており、自由診療になるケースが多いため、費用が高額になりがちです。岡山でも地域によって金額差はありますが、1本あたり10万円前後の費用がかかる場合もあります。
当院でのジルコニア活用と患者さまへのご提案
岡山なかの歯科・矯正歯科クリニックでは、インプラント治療や審美歯科において、ジルコニアを積極的に導入しています。ただし、すべての患者さまにジルコニアを推奨しているわけではありません。
患者さまの噛み合わせの状態、歯ぐきの健康状態、見た目の希望、予算などを総合的に考慮し、場合によってはオールセラミックやメタルボンドをおすすめすることもあります。
つまり「ジルコニア=万能」というわけではなく、適材適所で使い分けることが大切なのです。
まとめ ― 光と影を理解して選択を
ジルコニアは現代歯科治療における革命的な素材であり、多くの患者さまの笑顔を支えています。しかし、そのメリットと同時に、注意すべき点も存在します。
大切なのは、素材の特徴を正しく理解し、ご自身に合った治療方法を選ぶことです。岡山でインプラントや審美治療をお考えの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。患者さまにとって最良の選択肢をご提案いたします。
岡山なかの歯科・矯正歯科クリニックは、これからも最新の素材や技術を取り入れつつ、安心して通える歯科医院を目指してまいります。