本日のオールオンフォー手術は静脈内鎮静法下で|ザイゴマ&ペリゴイドインプラントを併用した高度埋入術
本日のオールオンフォー手術は静脈内鎮静法下で|ザイゴマ&ペリゴイドインプラントを併用した高度埋入術
こんにちは。
岡山なかの歯科・矯正歯科クリニック 院長の中野です。
本日は、高度なインプラント埋入技術を必要とする上顎のオールオンフォー(All-on-4)手術を実施しました。
患者さまのご負担をできる限り抑えるために、静脈内鎮静法を併用し、安心・安全に配慮した環境下での手術を行いました。
さらに今回は、通常のインプラント埋入だけでは対応が難しい症例であったため、
上顎にザイゴマインプラント(頬骨インプラント)およびペリゴイドインプラントを併用するという、
高度インプラント外科手術となりました。
このような内容は一見専門的すぎるかもしれませんが、
「岡山でインプラント治療を検討中の方」や「骨が足りないと言われた方」にとって、有益な情報になるはずです。
今回は、ザイゴマ&ペリゴイドを用いたAll-on-4手術の実際と、それがもたらす未来についてご紹介します。
◆ インプラント手術を“安心して受ける”ための静脈内鎮静法
今回の患者さまは、歯科治療に対して強い不安をお持ちでした。
そのため、当院では静脈内鎮静法(IV sedation)を選択。
これは点滴から鎮静薬を投与し、眠っているようなリラックス状態で手術を受けていただける方法です。
【静脈内鎮静法のメリット】
手術中の不安・緊張が大幅に軽減
痛みや恐怖感をほとんど感じない
施術中の記憶がほとんど残らない
血圧や心拍数が安定し、安全性が高い
患者さまも「本当に眠っている間に終わったような感じでした」と安心された様子で、術後の経過も良好です。
この方法は、インプラント手術に対する精神的・身体的ハードルを大きく下げる選択肢として、当院では積極的に導入しています。
◆ オールオンフォーとは?骨が少ない方の“最後の希望”
オールオンフォー(All-on-4)は、片顎あたり4本のインプラントで、全ての人工歯を支える革新的なインプラント治療法です。
短期間で固定式の仮歯が入る(即時荷重)
骨造成を回避できることが多い
手術の侵襲が比較的小さく、身体への負担が少ない
高齢者にも対応しやすい
などの利点から、「もう一度しっかり噛みたい」「総入れ歯から解放されたい」という方に選ばれています。
しかし、上顎の骨が極端に少ないケース(特に骨吸収が進んだ無歯顎の方)では、通常のオールオンフォーだけでは対応が難しいことがあります。
その際に活躍するのが、ザイゴマインプラントやペリゴイドインプラントといった特殊な骨を活用した埋入法です。
◆ ザイゴマインプラントとは?頬骨を使った特殊埋入法
ザイゴマインプラント(Zygoma implant)は、上顎の骨が著しく吸収している患者さまに対し、上顎洞を回避して頬骨に直接インプラントを固定する技術です。
【ザイゴマの特徴】
通常のインプラントができないケースでも対応可能
骨移植(GBR)や上顎洞挙上術(サイナスリフト)を回避
長いインプラント体(35〜55mm)で安定性が高い
骨質の硬い頬骨に固定するため、高い初期固定が得られる
この手技には高度な外科知識と技術、そして経験が必要ですが、うまく適用することで、従来は“無理”とされた症例にも対応可能になります。
◆ ペリゴイドインプラントとは?上顎の奥に伸ばす“支え柱”
ペリゴイドインプラント(Pterygoid implant)は、上顎の奥(上顎結節部〜翼突板)に向かって斜めに挿入されるインプラントです。
特に上顎の奥歯の骨が極端に薄いケースにおいて、追加的な固定源として非常に有効です。
【ペリゴイドの利点】
長い埋入体で骨量不足をカバー
上顎洞を回避し、骨移植不要
オールオンフォーの補強として活用できる
長期安定性に優れる構造
今回の症例では、右上にザイゴマ、左上にペリゴイドという左右非対称の戦略で、最適な支持力と分散性を実現しました。
◆ 手術の流れと結果|安全・確実に完了
【オペ当日の流れ】
術前カウンセリングと説明
静脈内鎮静法による導入
既存歯の抜歯と清掃処置
ザイゴマ・ペリゴイドインプラントの埋入
仮歯の即時固定(プロビジョナルブリッジ)
術後、患者さまは術中の記憶も痛みもなく、
「思った以上に楽だった」とお声をいただきました。
このような結果が得られたのは、チーム医療・事前の精密診断・綿密な手術計画・最新設備の総合力の賜物だと感じています。
インプラントチームのスタッフ、技工士さんいつもありがとうございます。
◆ 岡山でザイゴマインプラント・ペリゴイドに対応できる歯科医院として
現在、ザイゴマインプラントやペリゴイドインプラントに対応できる歯科医院は、岡山県内でも非常に限られています。
当院では、
歯科用CTによる3D診断
デジタルガイドシステムによる正確な埋入計画
静脈内鎮静下での外科体制
海外研修と数多くの難症例経験
これらをベースに、高度インプラント治療を安心して受けていただける体制を整えています。
「他院でインプラントは無理と言われた」
「骨が薄いと診断された」
そんな方も、ぜひ一度セカンドオピニオンとしてご相談ください。
◆ 最後に|“可能性”をあきらめない歯科医療を
インプラント治療は、単なる“人工の歯を入れる手術”ではありません。
それは、「もう一度しっかり噛める喜び」や「自信をもって笑える未来」を取り戻す医療だと私は考えています。
今回のようにザイゴマインプラントやペリゴイドインプラントを活用すれば、今までインプラントをあきらめていた多くの方に、新たな希望をご提供できます。
岡山で、こうした高度な治療を安全・確実に受けられる環境を整え、
これからも一人でも多くの患者さまに寄り添っていきたいと思います。
岡山なかの歯科・矯正歯科クリニック
院長 中野