従来の全体インプラント治療とオールオンフォーどこが違うの？

オールオンフォーと従来の全体インプラント治療には、
いくつかの重要な違いがあります。

1. 基本的な概念の違い

従来の全体インプラント治療は、歯の根っこと同じ方向に
基本的にインプラントを埋入します。
そのためにあごの骨が無い場合は上あごであれば
サイナスリフトやソケットリフトと言う方法
下あごであればGBRと言う骨移植の方法を併用します。

私はこの従来の全体インプラントを批判する訳では
決してありませんが.これに対しオールオンフォーは、
奥の歯は傾斜埋入と言って30度から45度傾斜して
長いインプラントを埋入します。

2. インプラントの本数

通常のインプラント治療では、片あごにつき、
8本から10本のインプラントの本数が必要になります。
場合によってはもっと多くのインプラントを使用する先生も
いらっしゃいます。

例えば、上下の歯全てを失った場合、20本のインプラントを
入れる先生もいらっしゃいます。

一方、オールオン4では、上下の歯全てを置き換える場合でも、
合計8本のインプラントで済みます。
これは、片顎あたり4本のインプラントを配置することで、
全ての歯を支えることができるからです。

3. 治療期間

従来の全体インプラント治療では、特に骨移植を併用する場合は、
まずは抜歯して骨の治りを数か月間待ち、その後上あごであれば
サイナスリフトやソケットリフトと言う骨移植を行い、
6か月程度待って初めてインプラントの手術に入るため
治療完了までに1年以上かかることがあります。

しかし、オールオンフォーは抜歯とインプラント埋入を1日で行い、
なおかつ即時負荷が可能な技術を用いているため、
多くの場合、手術当日に仮歯を装着し、当日から噛むことができます。
（当院の場合、1か月間はソフトフードを勧めています。）

4. 費用面での違い

従来の全体インプラント治療ではインプラント治療は本数が多いため
また骨移植の費用も別途追加で必要なため、
インプラント全体の費用が高額になります。

片あごで600万円から800万円と言われることが
多いと思われます。

私は何度も言いますがこの従来の全体インプラントを
否定している訳ではありません。

一方、オールオンフォーは使用するインプラントの本数が少ないので、
インプラント自体の費用を抑えることができます。
また、手術時間が短く、骨移植も避けられることが多く、
手術費用も片あご250万円～300万円と比較的低く抑えられます。

5.術後の腫れ痛み

この術後の腫れ痛みには個人差が大きいのですが、
従来の全体インプラント治療の骨移植を伴う場合、
特にサイナスリフトと言う上あごに大きく骨を移植する場合は
術後大きく腫れたり痛みが激しい場合が多いです。

オールオンフォーは1日で多数の歯を抜歯して、
少ないとはいえインプラントを埋入するため
従来の全体インプラント治療に比較して術後の痛みや
腫れが大きくてしんどいのではと心配される方が多いのですが
手術中の出血をコントロールする手術を丁寧に行えば、
術後の腫れや痛みは全くゼロではありませんが
かなり抑えることが可能です。

6. 骨移植の必要性：

オールオンフォーは、骨量の少ない部分を避けて戦略的に
インプラントを配置するため、多くの場合、骨移植を回避することができます。

これにより、追加の手術や治療期間の延長を避けられる可能性が高くなります
従来の全体インプラント治療では、顎骨の量が不足している場合、
骨移植の追加手術が必要になることがあります。

そうなると、治療期間の延長や費用の増加につながりますね。

7. メンテナンスの容易さ：

従来の全体インプラント治療では、インプラントの本数が多いため、
各インプラント周りを個別に清掃・管理する必要があります。
多数のインプラントがある場合、どうしても日々のケアが複雑になります。

オールオンフォーは、4本のインプラントで支えられた義歯全体をケアするのみ。
メンテナンスが比較的容易で、長期的な口腔衛生の維持が簡単です。

8. 生活の質への影響

従来の全体インプラント治療では、全ての処置が完了するまでに時間がかかりますし、
治療の途中で入れ歯の使用を免れない場合が多いです。
この治療途中の入れ歯使用は患者さんにとってかなりの苦痛を伴います。

オールオンフォーは、手術当日から固定式の仮歯が入ることが多いため、
入れ歯で不自由を感じる期間がありません。

また見た目にも仮歯とはわからないようなきれいな歯に仕上がります。
社会生活や食事の楽しみをすぐに取り戻すことができるのです。

岡山の歯医者
「岡山なかの歯科・矯正歯科クリニック」 院長中野 浩輔

• 昭和62年3月 岡山大学歯学部 卒業
• 昭和62年4月 岡山大学歯学部第一補綴科 研修医
• 昭和63年4月 岡山大学歯学部第一補綴科 文部教官助手
• 平成4年4月 「なかの歯科クリニック」を開設

当院は、岡山市北区矢坂東町での開院当初から3つのスローガン「待たせない」「痛くしない」「よく説明する」を掲げた歯医者作りをしています。