サンパウロでオールオンフォー、ザイゴマインプラント研修 その9
大きなバンで2時間ほどサンパウロの
街中から走ると大きなヨットハーバーに到着。
どの先生の所有するクルーザーかは
不明だが、10数名のクルージング開始
船内ではすぐに最高のスコッチウイスキーと
葉巻また用意されたおつまみでのパーティが始まった。
驚いたことは参加されていたアメリカの先生も
数名はクルーザ-を持っていると言うことだった。
30代でクルーザー?私は61歳で
2級船舶免許しか持っていない。
多くの先生がクルーザー内で水着になり海に飛び込む中
私は体調を考慮して揺れる船内でずっと過ごしていた。
スマイラー先生に貰った強力な酔い止めが無ければ
私は船酔いで死んでいたはずだ。
その時にクルーザーの最上デッキで横に
座られたフロリダの先生と話をすることになった。
私は何気なく「オリジナルはどちらですか?」
とその先生に聞いた。
他の先生との会話でロシア、ロシアと言う言葉を
よく言われていたからだ。
「私のオリジナルはベラルーシです。」
とグーグルマップで地図を見せて貰ったのだが
ロシアとウクライナに近接している国だった。
「私は21歳の時にベラルーシからアメリカに来ました。
その時は英語は全く話すことが出来ず、
所持金も300ドルだけでした。」
「ウェイターから仕事を始めてお金を貯めて
デンタルスクールに通いました」
だから今回一緒に来ている同級生の先生より
4歳ほど年上なのか?
年齢は42歳と言われていた。
「ではアメリカンドリームを叶えたのではないのですか?」
と言う私の質問に「歯科医師でもっとも最悪なのはアメリカの
歯科医師って知っていますか?」
「どうしてですか?アメリカの歯科医師の先生方は
皆スーパーリッチじゃないですか?」
その先生のフロリダの自宅は運河沿いにあり
自宅の横の運河にはクルーザーを停留していて
週末はそのクルーザーで家族で自宅から直で
フロリダ湾に出かけると聞いた。
絵にかいたようなスーパーリッチマンだ、
「確かにアメリカの歯科医師は多くのお金を稼ぐことができます。
しかし治療費が高すぎるので、患者さんからのクレームも多く
いつも私たちはストレルフルな生活を送っています。
裁判も多いです。」
「もっとしっかり稼いで早くリタイアしたいです。」
恐らくその先生の今までの苦労と努力は半端ではなかったはずだ。
また今の苦労と努力も半端でないはず。
両親や家族を故郷のベラルーシに置いたまま
単身でアメリカに渡り英語を勉強しながら
死ぬ気で働いてお金を稼ぎ、死ぬ気で勉強して
歯科大学に入って、やっと歯科医師になった。
そして今回はザイゴマインプラントを獲得しようと
努力している。
まだまだ私の努力なんて甘い甘い!
私たち日本人歯科医師は稼ぎだけを見て年収だけを見て
アメリカ人歯科医師に憧れることが多い。
私が知っているアメリカの歯科医師の先生は
超高級車を何台も所有していたり
大型の船舶や、超高級マンション等を
自分だけでなく賃貸用に何棟も所有されていた。
インプラント治療や根管治療の専門医となれば
最初から勤務医でも年収6000万円は稼ぐことが出来る。
開業すればその数倍の年収を稼ぐことが出来ると聞いた。
日本の10倍、いや数十倍かもしれない。
しかし日本には日本の良さがあり
日本人歯科医師には日本人歯科医師の良さがあると
私は思う。
日本人歯科医師の先生も稼ぎだけを求めるなら
アメリカに渡り向こうのライセンスを取得して
アメリカの地で開業して頑張ればよい。
そう言って頑張っているアメリカで開業している
日本人歯科医師の先生を私は何名も知っている。
またアメリカは歯科の医療費が余りにも
高すぎるために抜歯と簡単に虫歯を詰めるだけの
歯科医師以外のライセンスがあるとも聞いた。
私は私は日本の地で日本人を対象に
日本の保険をベースにインプラント治療
も頑張りたい。
しかし、アメリカの先生は遊ぶ時も本気である。
私はクルーザーの上でずっとスコッチウイスキーを
飲みながら多くの先生との会話だけ楽しんでいた。