ベトナム カンボジア その4
ホーチミンの夜、私と友人は
ベトナム料理店で生春巻きを食べながら
翌日の予定を話していた。
月曜日に意外に多くの人に会うことができて
2日分の予定を消化していた。
「出来れば明日はカンボジアに行きたい!」
私は友人に唐突に切り出した。
飛行機の予約は空きがあるのはすぐに確認できた。
しかしここで大きな問題が私達に立ちはだかった。
日本人のカンボジアへの入国はビザがいることと
ベトナムからカンボジアへは40分程度の近距離のフライトにも
関わらずカンボジアでの1泊が義務づけられていることだった。
ベトナムのホテルの1泊が無駄になる。
また今回は3泊の無理なスケジュールのために
カンボジアで1泊すると後の日程がかなり厳しくなる。
それでも私は無理を承知で友人にカンボジア行きを打診した。
「そんな無茶を言う人は普通はいない!しかし私もそんな無茶が大好き!!」
無茶苦茶を言う私の友人も、基本的に無茶苦茶な行動派であり、同じ穴のムジナだった。
「カンボジアの空港で空港職員に賄賂を渡して、何とか日帰りはできないだろうか?」
深夜までカンボジア行きの緊急ミーティングは続いた。
翌朝早い時間に友人から電話が入った。
「ホーチミンのベトナム航空の事務所は何と朝の7時半からオープンしている!
今すぐにパスポートとクレジットカードを持って事務所に集合!!」
ベトナム航空の事務所でカンボジア行きのチケットを発券した私達は
その足で空港へと向かった。
今回向かったカンボジアはシェムリアップ!
首都のプノンペンとは違って大いなる田舎!
しかしその田舎に友人がライフワークと称するカンボジア人によるカンボジア人のための語学とビジネスを学ぶための学校があるのだ。
私は心の底からその学校の子供達と触れ合いたかった。
私に出来る事は何でもいいから何かボランティアや奉仕活動がしたかった。
ホーチミンを11時半に出発したベトナム航空シェムリアップ行きは順調に高度を上げながらシェムリアップを目指した。
定刻通りシェムリアップに着いた私達は空港で長い列に並びながら
何とかカンボオジア行きの観光ビザを取得!!
舗装されていない赤土の道を走りながら、ベトナムとの違いを感じるのだった。
私はこの国から何を学ぼうとしているのだろうか?
夕食後、ホテルの部屋に戻り、翌日の日程を考えていた。
おもむろに30ドルの紙幣をポケットにねじ込んだ私は腕時計を念のために外してオールドマーケットに歩いて向かうのだった。
田舎の歩道は街灯などない!暗闇を歩きながら何度もバイクタクシーの若者に英語で「ビューティフルなカンボジアンガールいるよ!」と声を掛けられる。
それほど私はスケベそうな外国人に見えたのか?それとも??
マッサージを受けに行ったマッサージ店の2階には私以外のお客は一人もいないで怪しげなオレンジ色のチープなカーテンだけが扇風機の風に揺られるのであった。
私はこの国で何をしようとしているのか?