根管治療の難しさ
横に座られた36歳の歯科医師の先生
28歳で新規で開業して8年間で8院を展開
今では売り上げが20億円オーバーと言われる
。
院長は歯科医師でもあり経営者でもあるが
経営のうまい先生はセンスがあると思う。
自分の子供と年齢が変わらない若い先生の
活躍に心からの賞賛だけではなく
強い嫉妬心を感じる。
だって背も高く、イケメンで、おしゃれなんだもん!!
土曜日はセカンドオピニオンを希望されて
何名もの方が当院に来院された。
セカンドオピニオンというのは患者さんの権利であって,
今通っている歯科医院の治療方針とか治療に納得がいかない時に
他の歯科医院で意見を求めるということ。
これはれっきとした患者さんの権利であるし
当院に通ってる方も他の歯科医院で
セカンドオピニオンを求めても私は全く
問題とは思わない。
セカンドオピニオンは患者さんの権利である。
1人目の方、
「他の歯科医院で歯の根っこの治療をしたのだが
根っこの先の腫れが取れない、痛みも一向に治らない」
このままでいいかどうか、不安になって来院された。
2人目の方は、
「右下奥歯の痛みが取れないが今の歯科医院では、
これ以上治療はできないと断られた。」
3人目の方は、掛かりつけの歯科医院で、
「前歯2本の根っこの先に膿が溜まっているので
抜歯をするしか無いと言われた。」
抜歯しか方法が無いのなら掛かりつけの歯科医院で
治療を行うが残す治療があるのなら
当院で治療を受けてみたい。
1人目の方には根っこの治療の再治療をおすすめした。
2人目の方には、歯の神経を取る治療をおすすめした。
3人目の方には、迷った挙句、マイクロを使った外科的
根管治療をおすすめした。
3名とも他院でのトラブルから、わざわざ当院まで
来られたわけなので、セカンドオピニオンを求める
患者さんの対応、治療には苦慮することも多い。
もちろん、他の歯科医院で、痛みが取れないとか、
痛みがひどい場合はなるべく急いで治療してでも、
その方の歯の痛みを取ってあげようという気持ちが強く
働くのだがそういった患者さんに限って治療が滞ることも
少なくない。
根管治療と言う歯の神経の治療でのトラブルは
再治療が困難な場合が多い。
初めて神経の治療をするときの治療の成功率は
90%以上と言われている。
しかし、歯の神経の治療のやり直し、2回目や3回目の治療は
完全に治せない場合もある。
ある論文によると最治療の場合、成功率は50~60%と
極端に成功率は下がる。
これはマイクロスコープと言う顕微鏡を使用して
治療をしても大きく数字は変わらない。
特に根っこの先が既に壊れている場合や、
根っこの先の膿の病巣が大きい場合は
通常の保険の根っこの治療だけでは治せないことも多い。
そのために「今回の治療で完全に治して欲しい!
2度と再発しないようにしっかりと治療してほしい!」
という患者さんのお気持ちは十分理解できるが
今の当院の治療椅子が12台でマイクロの台数はわずか2台
歯の根管治療を100%保険の範囲内で行っている当院の現状では、
大学病院や専門医を紹介する位しか出来ない場合もある。
歯の根管治療を自費の保険外で行う歯科医院も
岡山では増えてきているが、歯の根管治療を
自費で行うと上の被せも自費治療になり
1本の歯の治療で50万円以上の治療費が必要である。
だから簡単には紹介も出来ない。
予後を考えると思い切って抜歯をして
インプラント治療を行った方が費用も安く
安定感も大きいと思われるが
わざわざ当院の評判を聞きつけて
遠方から来院された方に、
なかなかそんな事は言えない!!
自費の根管治療を始めるべきか?
今のまま保険100%で進めるべきか?
悩む!!