岡山地方豪雨災害 その1
あれから2週間が経過した。
まさか、私が愛する晴れの国岡山がこんなことになるなんて?
2週間前の7月6日の金曜日の夕方、警報アラームが何度もなり始めた岡山地方。
スマホを見ると近くの川が決壊の恐れがあるから避難準備勧告が続々と出ている様子、
岡山で、こんなに大雨の警報、河川が決壊する警報が出ることは私には記憶がなかったので、何か嫌な思いを感じていた。
私は診療の手が空くたびにカウンセリングルームのパソコンの前に座り岡山の雨雲情報とか岡山の警報が出ている地域情報を時間ごとにチェックしていた。
当院のスタッフ数名が住んでいる岡山の北部御津地域に避難準備警報が出されたと聞いて私は診療が終わる前にスタッフ3名と自宅が遠方である2名のスタッフを自宅に帰らせることにした。
また診療が終了次第、手の空いたスタッフから順次自宅に帰るように命令をした。
それが2週間前の金曜の夜のことである。
岡山で雨は降り続いていた。
私はそんなに大量の雨とは思わなかったが、どんどんと警報アラームが鳴って、こんなこと今まで経験したことがないなと妻と話していた。
その土日広島で開催する予定だった日本臨床歯周病学会に参加するために東京から新幹線で帰ってくることになっていた娘から連絡が入り、新幹線が大幅に遅れ、広島行きが岡山止めになったという情報を得た。
通常であれば品川から岡山まで3時間半で着くところが深夜になるかもしれない、また最悪新幹線内で夜を明かすことになるかもしれないというメールが入ってきた。
ただ最悪新幹線内で夜を明かすことになっても新幹線の中は危険がないと私達夫婦が思っていたのでそれはそれで仕方がない。
しかし深夜に帰る時は私たちが娘を車で岡山駅まで迎えに行こうと話をしていた。
そんな時、深夜11時43分にすごい物音に驚いた。
バキバキというすごい音がして窓のサッシが揺れた。
私は地震だと思い妻に確認をした、妻は地震じゃない雷が落ちたんじゃないのと話をしていた。
地震であればすぐに地震情報が出るからとテレビとかスマホで検索しても地震情報が出ていない。
今までに経験したことがないような振動と音だったのでスマホで検索してみると総社市の鉄工所が爆発を起こしたと言う直ぐ直前にアップされたサイトを見つけた。
そのサイトには総社で爆発した工場の写真と、近くのコンビニのローソンのガラスが全て割れていた写真も掲載されていた。
その時私は不覚にもその情報がフェイクであると裏付けも取らないまま、思い込んでしまった。
なぜなら総社市と岡山市は直線距離で20キロ以上ものすごい距離がある、その総社市の工場の爆発の騒音が岡山市の当院の自宅まで響いてあれほど揺れるわけがない。
この写真はこのサイトはフェイクであると思い込んでしまった。
ただ後からの報道を考えるとこの情報は真実であった。
金曜日の深夜11時43分に総社市のアルミニウム工場に流れ込んだ大量の水の関係で水素爆発を起こしてかなり大きい振動爆音があったらしい。
知り合いの研究所もその工場のすぐ近くにあったが、早めに職員を返したようで、大きな爆発の割には怪我人や死傷者が出なかったことは本当に良かったと思ったが、あの爆発は単なる悲劇の序章に過ぎなかった。