ホテル体験記 「 マリオット沖縄 」
「 沖縄には花粉症はないらしい! 」 その旅は誰かの一言から始まった。 42年間幸せに花粉症を経験しないで生きてきた私は今年生まれて初めて花粉症の攻撃をもろに受けてしまい、頭痛、鼻水、目のかゆみ、集中力不足から24時間逃れられないでいた。
その苦しみから沖縄に行くだけで逃れられる。 4月1日にオープンした沖縄初のマリオットブランドのホテルも気になっていた。 全日空からもSFC会員用に無料のお部屋のアップグレードや格安のクラブフロアへのアップグレード、他にもヘルスクラブへの招待など魅力的なオファーをもらっていた。
「こりゃー全日空のマイルを消化してでも沖縄へ飛ぼう!」と私の心は固まった。
沖縄の那覇空港からレンタカーで高速にスムーズに乗った私は空港から60分でホテルに到着した。 このホテルは以前からある、かりゆしビーチホテルと同様にオンザビーチのホテルではなく高台にホテルは位置する。
近くにかりゆしビーチというビーチはあるのだが「海の家」に毛が生えた程度の豪華さ。 沖縄でオンザビーチにないとは大きなマイナス点だなとチェックインから少々不安になる。
ホテルは巨大ホテルでロビーは豪華でとても広い。
「眺めの良いお部屋に変えさせてもらいました」と言うフロントの一言に期待した私は部屋の前に工事のためのプレハブ小屋がそびえたつ風景を見て興ざめした。 せめて高層階か別向きの部屋を用意してもらいたかった。
クラブフロアは満室でアップグレードは無理と言われた。 その時は既に夜も遅く、しかも部屋が空いてないと言われると仕方が無い。
このホテルは全室スイートルームが売りではあるがスイートとは甘い部屋ではなくて続き部屋のこと、ベッドルームの奥に狭いソファーを置いたスペースがあったが、それで全室スイートを名乗るとは素晴らしい!いや浅ましい! 驚くことは続いた。
部屋の壁が薄いのか?隣の部屋のテレビの音から普通の会話まで私の耳に延々と雑音が届いた。プライバシーの確保の面では最低である。 これじゃー恋人とは絶対泊まれない!(恋人はいませんが!)
フロントで夜12時までオープンしているイタリアンレストランがあるというので11時前に一人で行ってみるとスタッフは明らかに迷惑そうな顔で私を案内した。
イタリアンレストランはメインのフレンチレストランの奥のオープンのスペースにあった。レストランのスタッフはメインのフレンチレストランでの明朝のバイキングの準備が忙しく、奥のイタリアンのスペースは既に明かりも落とされていた。
その場所で嫌々食事する気持ちにどうしてもなれなかった私は席に付くのを断ってレンタカーで外に食事に出るのであった。
このホテルの周辺にはブセナをはじめ沖縄を代表する蒼々たるホテルがあるのでレストランもロード沿いに沢山あるのだが悲しいことに11時より遅くまで営業しているレストランは見つからなかった。
仕方なくコンビニで沖縄限定キムチ春雨スープとオリオンビールを買ってきて部屋で寂しく深夜のディナーとあいなった。 翌日カラスが飛び交う部屋の前の森の奥に少しだけ見える海とブセナテラスの建物を見ながら、すっかり体調を崩して風邪を引いたしまった私は鼻水と頭痛と関節痛に悩まされ一体何のために沖縄に来たのかという目的さえ忘れてしまっていた。
新しいホテルとはいえどもハードもソフトもサービス面でのばらつきが多すぎる。
ツアーご用達ホテルで個人でのチェックインには馴染まない。