愛するものとの永遠の別れ
患者様からバレンタインの
チョコを頂く。
私も性別は一応男性なので
何歳になっても、美人からの
チョコはうれしいものだ。
いつまでも男性としての色気を
失わないように頑張ろうと思う反面
今年に入り疲労が今まで以上に
蓄積しやすいことを感じ
自分の年齢をつくづく感じる。
忙しくて加圧トレーニングにも
数ヶ月行っていない!!
私は開業して3年目の今から18年前、
生まれて初めて念願の外車を購入した。
私がそのときに選んだ外車はドイツの
フォルクスワーゲンの「ゴルフちゃん」!!
それも生まれて初めての左ハンドル。
今でこそヤナセのベンツも右ハンドルが
主流になっているが、20年前は
バブルの余韻もあるのか?
外車と言えば左ハンドルが定番だった。
この「ゴルフちゃん」は、派手さな決してないが
質実剛健で素晴らしい車だった。
国産車と比較して、外車の素晴らしさは、
デザイン面で大きな変更をあまりしないので、
長く乗り続けていてもあまり古臭さを
感じさせない面であろう。
当時300万円近い「ゴルフちゃん」を購入するのに
私は文字通り、清水の舞台から飛び降りる心境であった。
当時の300万円は今であれば3000万近い価値になる(嘘!)
私は車と奥さんは古ければ古いほうが良いと思っている。
長年連れ添うから出てくる感情もあると思っている。
この「ゴルフちゃん」は、数年後には昇進して
当院の訪問歯科診療の往診車にもなり
岡山市の寝たきりの患者さんのお宅や
高齢者の施設を走り回った。
往診先の細い路地で勤務医が脱輪させてしまい
車のシャフトが大きく曲がったときは
廃車にするべきかどうか?凄く悩んだ結果
高額な修理代を投じて、「ゴルフちゃん」は
生まれ変わり数年寿命が伸びることになった。
しかし、ここ晩年はパワーウィンドウは
気分次第で動かず、エンジンからの異音だけでなく
昨日は左のドアミラーのカバーが腐食して脱落等、
末期の症状を迎えていた。
私は愛する「ゴルフちゃん」の最後の最後まで、
しっかりと看取ろうと思っていたのだが、
さすがにここ数ヶ月間は安全面での不安が出ていた。
そして、先日、歯医者(はいしゃ)の車を
廃車(はいしゃ)にすることを私は決定した。
私は、敗者(はいしゃ)になった気分だった。
木曜日の午前中、最後の「ゴルフちゃん」とのドライブを
妻と3人で行き、その10分後、日産の営業マンの
方に連れられて、「ゴルフちゃん」は我が家を去っていってしまった。
悲しみに耐え切れなかった私は愛車「ゴルフちゃん」
を追いかけて最後の写真を撮影した。
「ゴルフちゃん」は矢坂大橋の交差点を
右にウィンカーを出して右折して180号線に乗り、
そして私の視界から消えた。
歯科医(しかい)の視界(しかい)から消えた。
私は思わず叫んだ!!
「シェーーン!カミンバック!!」
古いか??