一番好きな食べ物?
歯の根っこの治療は
歯科医師の良心と呼ばれるほど
大切な治療であるが「ないがしろ」
にされやすい部分でもある。
しかし1本1800円のファイルを
使い捨てにしろとは?
日本の保険事情には合いませんよ!
デンツプライさん!!
当院はインプラント治療に力を入れていると
思われている節も多いのだが
実は入れ歯の治療にも力を入れている。
ここ数年、当院が頑張っている入れ歯が
超精密入れ歯、BPSと言うシステムで
精密に入れ歯を作製する。
入れ歯を作るときでも、ミニインプラントや
2本だけ奥にインプラントを入れてアンカーにさせると
入れ歯は凄く安定するので、抜群に良く噛める
入れ歯にすることができるのだが、
誰もがインプラント治療を受けられる訳ではない。
年齢や、持病で、インプラントを受けることが
できない方もいらっしゃる。
本日、ある高齢の女性の患者様が
息子さんに連れ添われて当院に来院された。
その方は長年総入れ歯が合わないで
ドンドンと痩せこけていって、栄養失調を
起こされていた。
口から物を食べることが出来ないので
少し前には入院をされたと聞いている。
家族の方の相談で、当院で
新しい入れ歯を作製する治療を
受けられることになっていた。
最初、お口の中を拝見したときは
「これじゃー、噛めない!!」と私は驚いた。
上の歯は全ての歯を失っているのだが
下の歯は多く残っているのだが
右下の奥歯を3本失っていて
左しか噛めない状態だったのだ。
左だけ噛めれば良い!そう思われるかもしれないが
歯の噛み合わせは重要な上に
上の総入れ歯は左右の奥歯で安定して噛まないと
コトコト落ちてきて、全く近いものにならない。
数年間、この状態で過ごしてきたのなら
噛めないで栄養失調になるのは想像に難くない!!
その女性の方の年齢と今の体力を考慮して
私は右下に無理にブリッジと言う固定式の
歯を入れて、その後、BPSと言う超精密入れ歯を
作製した。
これが奥歯がしっかりと噛むと
上の総入れ歯もここまでしっかりと
密着するかと思うほど、ピシーッと
吸い付いて外すことが難しいほどだ。
先週が新しい入れ歯の装着で、本日が
1回目の調整日だった。
新しい入れ歯も慣れてきた様子で
数日前から何とか昔のように
噛むことができるようになってきたと
息子さんは話されていた。
ここは一発私の鉄板トークを入れて
患者様のモチベーションをアップしよう!!
そう思った私は
「○○さんは、食べ物の中で何が一番お好きですか?」
とお尋ねした。
多く言われる答えが
「お寿司」「焼肉」「うなぎ」など
しかし、本日の高齢の女性の方は
私の目をしっかりと見て
一言「ビフテキ!」とお答えになった。
「ビフテキですか?それではビフテキが
食べることができるように、私が
しっかりと調整します!!」
そう言いながら
「ビフテキなら神戸牛の高くて
柔らかいお肉にして下さいね!」
と言う喉元まで出かかった言葉を
飲み込んだ私だった。