岩手県盛岡市
土曜、日曜の2日間が
何とか終了した。
院長の私、チーフのM、サブチーフのT
の3名は岩手県盛岡市で開催された
「かわべセミナー北東北」の講師として
ご招待を受けていた。
話は1年前に遡る。
東京で開催された第29回顎咬合学会に
参加するため、早朝の岡山ー羽田便に
登場していた私は3ヶ月前に起きた
東北大震災に思いを馳せていた。
その当時、私が所属していた岡山政経塾では
岩手県陸前高田市の第1中学校の避難所に
救援物資を届ける活動を続けていた。
「被災地をこの目で確かめたい!」
飛行機の機内で私は漠然とそう考えていた。
その顎咬合学会の夕方の時間
私は秋田のY先生から声を掛けられた。
「中野先生、来年の6月に、かわべセミナー北東北の
講師として、岩手県の盛岡に来て頂けませんか?」
通常なら岩手は岡山から凄く遠いので
診療のことを考えると、おいそれと即答はできないのだが、
私は朝の機内での思いがあったので、運命を感じて、
速攻でお返事をした。
「行きます!」
そして、あの日から1年と少しだけ経過して
6月16日、17日の2日間を迎えた。
私はセミナー主催されるY先生に
「前日の土曜日、被災地を見学したい!」
旨をお願いしていた。
「技工士さんか誰か車を出して頂けると
ありがたいです!」と伝えていた。
もし無理なら空港からレンタカーを借りて
被災地に行こうと考えていた。
そんな中、私の要望を聞いて下さった主催者の
先生方がわざわざ土曜日、仕事を休んで
車を出してくれて、私たちは被災地の見学が
できることになった。
当初は、山田町を回ると聞かされていた。
陸前高田市を見学したかった私だが
これ以上無理を言うのはと思っていた。
そして、私たち3名を載せたJAL便は
定刻通り「いわて花巻空港」に到着した。
私たち3名のために、4名の歯科医師の先生が
わざわざ集まって下さって、計7名で被災地に
向かうことになった。
車を出して下さった岩手のM先生が
私にこう言った。
「昨日、ある患者様が来院されて、
中野先生のことをお話すると、仕事があるので
案内はできないけど色々と教えることならできるよ
と言ってくれた!」
その患者様が経営されるガソリンスタンドは
陸前高田市にあった。
そして、私たちは当初の山田町から予定を変更して
陸前高田市に向かうことになった。