Dr.中野の活動記録
2005-6-10
舌側矯正
今朝1本の電話が私にかかってきた。
舌側矯正に対する質問だった。
個人のプライバシーの関係で設定を少し変更するが
「大阪の大学に通うAさんは大学2年生。
夢はテレビ局に就職してアナウンサーになること。
そのためのゼミにも入ることが出来た。
ゼミの教授は元マスコミ関係者!もちろんテレビ局にも
顔が利く。
3年生の9月には就職活動が始まる。後1年と少々。
アナウンサーになるために、ガタガタの歯を矯正で
綺麗にしたいのだが、教授に相談すると
「テレビ局の面接の時に、前歯の見えるところに
矯正の装置が付いていたらその時点で必ず落とされる!」
と言われた。
毎月岡山には帰ってくるので当院で見えない裏側から
貼り付ける矯正治療をしたい}という電話だった。
当院でも行っている矯正のテクニックのひとつに
歯の裏側に装置を貼り付ける舌側矯正がある。
これは東京では舌側矯正専門の歯科医院もあるように、
根強いニーズはあるのだが、当院では基本的には
積極的にはお奨めしていない。
歯の裏側に装置を貼り付ける舌側メリットはただ一つ。
見えないことだけ!!
デメリットは多い。
金額は高くつくし(表の装置の50%増し)、期間も長くかかるし、
仕上がりも必ず表側より劣るのは間違いない。
そして一番大切なことは歯の裏側に装置をつける事は
とても辛いことだと言うこと。
人間のお口の中は大変デリケートなところ。
その裏に装置を貼り付けると発音に支障はあるし
食事も辛くて大変である。
当院でも何名かに一人は裏側に一度装置をつけても
我慢できなくて、数日間で外してしまう。
これは舌側矯正専門医でも同じと聞いている。
舌側矯正専門医そ先生や舌側矯正学会は
決してそのデメリットを話すことは無いのだが
これは事実であろう。
歯の裏側に装置を付ける舌側矯正はもちろん高度な
テクニックが必要ではあるが、一番大切なことは
患者様の我慢である。。。間違いない!!