1本の歯への執着!
最近の曲はもちろん、20年前のヒット曲を
歌っている歌手や、グループを
ほとんど知らない私に、妻が不思議がる!
「あなたは本当に音楽に興味が無いのね?」
「いや、私はユ-ミンやサザンの曲なら
知っている!」と少し強がる。
しかし、私が知っているユ-ミンやサザンの曲
は30年以上前にヒットした曲ばかりだった。
「あの日に帰りたい!!」
先日から連続で、他の歯科医院で抜歯を宣告された方が
「抜歯以外に歯を残す方法はありませんか?」と当院に来院された。
1人の男性は、既に一番前の左前歯を1本抜歯していた。
右の前歯の根っこの先に膿が溜まり、抜歯を宣告されて、
インプラント治療を薦められたらしい!
いや、ちょっと待って!
一番前の前歯を2本連続して失うと
インプラント治療出来なくは無いのだが、
審美的に仕上げることがとても困難になる。
前歯と前歯の間の歯間乳頭と言う部分の再現が
非常に困難になるからだ。
何とか頑張って根っこの治療を続け
何とか膿のポッコリが無くなり
単純なブリッジでの治療が可能になった。
抜歯をして、すぐにインプラントの診断は
あるケ-スでは審美的に危険を伴う場合がある。
1人の女性の方は、左の犬歯の根っこの先に膿が溜まり、
他の歯科医院で抜歯をして、インプラント治療を
受けることを薦められた。
いや、ちょっと待って!
犬歯を抜歯して1本だけのインプラントとなると
インプラント治療出来なくは無いのだが、
噛み合わせの調整がとても困難になる。
これだけ長い犬歯なので、歯根端切除と言う
外科的なアプローチを行い、かなりの痛みと
ほとんどの腫れが軽減!
単純な1本のセラミックの差し歯で回復することになった。
抜歯をして、すぐにインプラントの診断は
あるケ-スでは咬合的に危険を伴う場合がある。
先日の品川でのITXインプラントサミット
1200名の歯科医師が参加されていた。
最近の歯科専門雑誌の巻末のセミナー広告は
インプラントが花盛り!!
時はまさしくインプラントバブル!
マスコミも煽る煽るインプラントバブル!!
しかし、そんなご時世だからこそ、
私たちは1本の歯への執着は持ち続けたい!!
患者さまと多くの年月を共に歩んできた
大切な歯を、私たち歯科医師はいとも簡単に
抜いてしまってはいけない!!
1本の歯への執着!