ピエゾの国際学会
参加者のある先生に情けないことに
頼み込んで、円とユーロを両替してもらって
事なきを経た!
パリでの3日間のセミナーが終わった翌朝、
早朝5時30分にホテルにタクシーを呼んで
パリからスイスのルガノまで移動する。
私はスイスでもユーロで通用すると思っていたが、
スイスではスイスフランと言う別の貨幣が存在した。
このブログは歯科医師の先生や歯科大学の学生さんの
読者も多いので、久しぶりに真面目に学会報告!!
インターナショナルピエゾアカデミーとクインテッセンス主催で
スイスのルガノで5月5日から7日の3日間、第1回目となる
ピエゾエレクトリックボーンサージェリー インターナショナルミーティングが
開催された。
今回のインターナショナルミーティングのテーマは
「ウルトラオッセオインテグレーション」
従来のドリルを使ったインプラント治療と
超音波骨切削器具を使ったインプラント治療の比較が
大きなシンポジウム全体の大きなテーマとなっていて
ヨーロッパを中心に約300名の歯科医師が参加されていた。
超音波骨切削器具は、1997年にイタリアのTomaso Vercellotiが開発以来
欧米を中心に大学で研究がなされ、多くの報告がされているだけでなく
日本でも各社から多くの超音波骨切削器具が発売されていて
注目を集めている分野である。
初日のテーマは、従来のドリルを使ったインプラント治療によるオッセオインテグレーションと
超音波骨切削器具(ピエゾ)を使ったインプラント治療によるオッセオインテグレーションの
骨の治癒の違いが基礎的な研究を基に多く発表された。
イタリアのClaudio Stacchiは、従来のドリルを使ったインプラント治療では
初期固定が低下する時期と、オッセオインテグレーションによる2次固定が
高くなる曲線の交わりが21日となり、術後3週間で骨結合が9,2%低下する。
超音波骨切削器具を使ったインプラント治療ではその骨結合の低下のピークが
14日目に訪れ、低下も2,7%に過ぎないとの発表された。
また、従来のドリルを使ったインプラントの形成は平均6分であったが
超音波骨切削器具を使ったインプラントの形成は平均7分と
1分長くなるとの発表があった。
超音波を使ったインプラントの形成は
Ultrasonic Implant Site Preparation(UISP)と呼ばれ
まだ日本では認可されていないが
各社から独自のUISPのシステム、チップ、バーが発売されていた。
2日目は、Piezoelectric Bone Surgery(PBS)が中心、
午前中は、PBSを用いたサイナスリフトやリッジエクスパンジョンの
発表が多く、ピエゾを使う最大のメリットは
血管を切りにくいことと、サイナスリフトの場合、シャナイダー膜の
損傷を防ぐことと数名の先生が発表されていた。
2日目の午後は、ピエゾを使った外科矯正の症例が多く発表されていた。
学会会場内では10数社の展示が行われていて、ピエゾでは初期から機械を
開発しているメクトロン社はピエゾサージェリー4のプロトタイプを展示されていて
注文を受け付けていた。
日本ではピエゾサージェリー2が発売されているが
4になって、最大の違いは、概観がアイパッドの用に変わっていたことと
ライトがついたハンドルの形状が大きく変わったことであろう。
また、日本では有名でないヨーロッパのインプラントメーカーが
複数出展されていて、懐の深さを感じさせた。
さすがに海外の学会はいろいろな面で凄かった!!