頼りない強み?
ヘビーなインプラントの
オペが終わった。
わずか1時間強のオペで
精神も肉体もクタクタになる。
歯科用CTが当院に入ったことによって
診断力は凄く向上したのだが
インプラントのオペ自体が簡便になった
訳ではない。
簡単なインプラントのオペなんて決してありえない!
全てが複雑で困難なオペ、だからこそ全力で頑張る!!
少し前から、当院の待合室の掲示板の
「なかの歯科スタッフ紹介」が新しくなった。
私は、この「スタッフ紹介」が本当に凄いと思っている。
私の、そして当院の自慢であると言ってもいい。
私は、当院の歯科衛生士のチーフに、新しい「スタッフ紹介」には
硬と軟、ハードとソフト、デジタルとアナログのバランスを取るべく、
ほとんどがデジタルな表記の中で、敢えて、スタッフの手書きの部分に
拘りたいと伝えていた。
そして、ほとんど全てを任せていた。
彼女は診療後、遅くまで残業して、この仕事を進めていた。
そして、そのデジタルな表記と、手書きのアナログ表記が
素晴らしいバランスで混在された「スタッフ紹介」が
先日遂に完成した。
私は、私の思いを実現化してくれたチーフスタッフに
感謝すると共に、当院のスタッフ1名、1名が
自筆で書いた「スタッフの仕事に対する思い」に感激した。
スタッフの熱い思いが、掲示板から溢れ出る感じがした。
素晴らしい「スタッフ紹介」が完成した。
当院の最大の強みは、院長の私が、「これがしたい」と
口にするだけで、スタッフの誰かが「私がします!」と
手を挙げてくれて、実現化するところにある。
どうして、私のいい加減な?ひと言に
当院のスタッフは反応して、自ら動いてくれるのか?
私はずっと不思議に思っていた。
その答えが、今週号の「AERA」に掲載されていた。
アエラの今週号の特集の「異能な人の仕事術」の中で
エイベックスの松浦CEOが、述べていた一言だ。
「自ら率先して動いてみる!
そして、できない自分をさらけ出す!!」
2004年、エイベックスの松浦専務が、辞表を提出した時に
「浜崎あゆみ」さんや、エグザイルのHIROさんが
「私も辞める」と言いだして、結局松浦さんは
取締役に復帰した事件は、芸能界に疎い私でも
よく知っていることだ。
その松浦さんが「どうして、皆が僕に付いてきてくれるのか?」
の質問の答えが、「頼りないから!」だった。
できない自分さらけ出すと、出来るスタッフが
フォローをしてくれるのだ。
エイベックスの松浦さんと、私が同じだなんて
口が裂けても、言うつもりは無い。
しかし、出来ない自分をさらけ出すことは、
本当は重要なことだと私は思っている。
私はPCのスキルは無いし、背が低いので
高いところのものを取ることは、苦手である。
集中力はある方だが、2時間で私の集中力は激減する。
思い込みが激しくて、バランス良く物事を判断することは
苦手である。
その半面、行動力は誰よりもあると思っている。
思い立てば、大阪でも東京でも札幌でも、海外にでも
簡単に移動する!そして何とか結果を出す!!
それが私の一番の強みである。
企業でも、歯科医院でも、同じことだが、
トップになると、基本的に一番仕事が出来ないといけないし
労働時間の長さも、仕事の責任も一番であるのは、
ある意味で当たり前!
しかし、自分が出来ないことを認めて、出来るスタッフに
仕事を任せる器もトップには必要と思っている。
私自身、インプラント治療がベストに、上手でなくてもいいのだ。
インプラントのベストの術者を当院に連れて来ればいいのだ。
私自身、セラミック治療がベストに、上手でなくてもいいのだ。
セラミック治療がベストの術者を当院に連れて来ればいいのだ。
なぜなら、私は頼りないから!!
自分が出来ないことを、
他の人に、敢えて任せる勇気も
必要なのだ。