Dr.中野の活動記録
2005-4-25
初診急患随時受付
歯科医院の広告で「初診急患随時受付」と書かれている医院がある。
「初診の患者さんと急患の患者さんは予約は必要ないですよ!
いつでもご自由にどうぞ、しかし再診の方は予約を守ってください」と言う意味だ。
当院は違って、初診の方でも予約を取るようにお願いしている。
痛みや腫れがひどい急患の場合も同様に必ず電話連絡の上に
来院することをお願いしている。
理由は予約制の歯科医院であればその日の予定は全て予約で
組み立てられている。
たとえ初診の方でも急患の方でも飛び込みで来院されると
間違いいなく従来の予約の患者さんの時間を削ることになる。
もちろん歯の痛みは我慢ができないので無下に予約は一杯ですと
全て断る訳ではない。比較的に空いている時間や当日キャンセルが入った
時間を優先的にご案内することで予約の方にもご迷惑をお掛けせずに
新患や急患の方も待ち時間が少なく治療ができる。
しかし特別な場合がある。
外傷と言って歯の怪我だ。事故や怪我は時間との勝負のことが多い。
例えば歯を強く打って抜け落ちてしまっても短時間で歯科医院にその
抜けた歯を持っていけば歯の再植といって、もう一度抜けた歯を
元の位置につけることが出来る。
抜け落ちた歯は牛乳かお口の唾液の中に浸して歯科医院に持参して
もらえると歯根膜という大切な組織を乾燥によるダメージから少しでも
救うことができる。
今日の午後2時半に当院の電話が鳴った。
「小学生の子供が事故により上前歯を数本粉々にしてしまった。
名前は○○ ○○!今当院に既に向かっている!!」
インカムでその情報は全て野スタッフに回った。
医院全体に一瞬にして緊張が走る。
レントゲンの準備に走るもの!、外傷の怪我の準備に走るもの!
ユニットの空きと予約を確認するもの!、
さながら診療室は救急病棟24時の様だ。
すべての準備を整えた私たちは患者の到着を待った。
30分経過、1時間経過、2時間経過、
受付のスタッフに「何時ごろ着くと言っていた?」
と聞くと「もうすぐ着きますと言っていました!」と言う・
3時間、4時間経過、そして診療終了の時間!
結局あれから電話もなく、当院に歯の外傷の子供さんはやって来なかった。
果たして一体どこに行ってしまったのだろうか?