親知らずの抜歯
新聞社から電話が入る!
うまくゆけば面白い展開に
なるかもしれない。
明日のテレビ、明後日のラジオ
そして今後の新聞?
マスコミ各社と今まで以上に
うまくお付き合いをしようと
1冊の本がアマゾンから届いた。
「新聞、テレビ、雑誌に取り上げられる
PRネタの作り方」
まずは本から!
いつもの私の鉄則である。
最近、親知らずの抜歯が凄く多い。
親知らずで、抜歯をしないといけない場合は
普通にまっすぐ生えていることはほとんどなくて
曲がって生えていたり、完全に横向きに
生えていることが多い。
そのために、親知らずの抜歯は難航することが
多く、大学病院や口腔外科に紹介される先生も多い。
先日も私の友人が、かかりつけの歯科医院で
親知らずの抜歯を断られたために、当院で抜歯を行った。
私も含めて一般の開業歯科医師が
親知らずの抜歯を渋ったり、大学に紹介を
するのには2つの理由があると思う。
1つの理由は、単純に抜歯自体が困難な場合が多く、
術後の腫れや痛みがひどい場合が多いからだ。
私自身も、本当は、親知らずの抜歯は
余り好きな治療ではない。
綺麗な若い女性の顔が、親知らずの抜歯の翌日に
腫れて変形するのを見たくないからだ。
もう一つの理由は、その報酬の低さであろう。
日本では親知らずの抜歯は、保険適応であるために
ほとんどの方は保険治療で抜歯をされる。
下顎で完全に埋まっている親知らずの抜歯なら、
普通は1時間はかかりっきりになる。
その1時間かかる日本での親知らずの抜歯の
報酬は最高で1本が11000円!
3割負担の患者さんが支払う受付での
一部負担金は3300円!!
これは、実は凄く安い金額なのだ。
私が昨年サンフランシスコで見学をした
歯科医院では、親知らずの抜歯は全て自費治療!
抜歯1本で12万円から15万円の患者負担だった。
それだけでは決して無かった。
その歯科医院では、静脈内鎮静をして
1時間で4本全ての親知らずの抜歯を行っていた。
日本と同じ1時間で50万から60万円の
売り上げであった。私たちは1時間で11000円!!
静脈内鎮静と言う、寝たようになる状態の抜歯なので
器具の操作が、非常に荒かったと言う記憶がある。
私はそのドクターに質問した!
「なぜ先生は1日で全ての親知らずを抜くんですか?」
「ドクターナカノ!
君は患者に痛みを4回も経験させたいのかい?
それとも1回で済ませたいのかい??」
その先生の一言に、全く反論できなかった私。
その診療室の待合室では
「親知らずは、こんなにあなたの健康に
危害を加えますよ!」と言うネガティブキャンペーンの
ようなDVDが延々と流されていた。
「あなたは1回で4本分稼ぎたいのかい?
それとも1本分しか稼がないのかい??」
そんな言葉が頭の中で木霊した!!