関西空港出発のＴＧ６７３便は
関空を深夜の０時３０分に出発する。

岡山から９名の参加者は
「のぞみ」と最終の「はるか」に乗り継いで
フライトの３時間前に関空に着いた。

深夜のフライトのために、
いかに機内で睡眠時間を取るかが、
１日目の成功のカギを握る。

私は、スタッフに
「機内食はなるべく食べないこと！」
「機内での映画はなるべく見ないこと！」
「少しでも長く深く睡眠時間をとること！」
の指示を出して、私自身もアイマスクと
マスクと、耳線と。ノイズキャンセルヘッドフォンで、
外部からの刺激完全シャットアウト状態で
すぐに眠りに入った。

バンコクの空港には定刻より早めの
早朝４時３０分に到着した。

機内のスタッフの様子を伺うと、さすがに今回は
若いスタッフが多いためか問題はなさそうだ。

荷物をターンテーブルから取り
ＨＩＳのバンコクのガイドの方とも無事会えて
荷物を車に運び込んで、無事にバンコクの空港から
ペニンシュラホテルに向けて車は出発した。

順調すぎる滑り出しだった。

するとバスの中で
 一人のスタッフが私にこう言った。

「院長、さっきの空港でパスポートを忘れた
みたいなんです！」

「何ーっ！パスポート？？

ガイドさん、すぐに空港に引き返して下さい！！」

私たちの車は、急きょ空港に戻ることになった。

空港へと帰りながら、私の中で、
数年前の上海医院旅行の嫌な思いでが蘇ってきた。

海外旅行初めてのあるスタッフは、
上海国際空港に到着した瞬間、
帰りの航空券を機内に忘れたと
私に申し出た。

一度入国した私たちが再び空港内、
それも機内に入るために、
かなりの交渉の時間を要した。

何とかスタッフだけ空港関係者と共に
機内に戻り、チケットを探したが、
結局見つからないで、私は後日、
航空会社で新たに正規の料金で
チケットを買いなおす必要があった。

あの時は悪夢だった。

バンコクの空港に戻り、
私は青ざめた表情のスタッフを連れて
空港のアライバルゲートへ向かった。

「入国審査の後、空港内のトイレの後ろの棚に
パスポートを置いたまま、忘れてきました！」

「よく考えて！それで間違いない！」

「はい、間違いありません！」

早めにトイレに急がないといけない。

日本人のパスポートは、かなりの高値で
売買される。

そうでなくても、ここはタイの主都
バンコクなのだ。

空港のアライバルゲートには小銃を持った
軍関係者の方が数名いて厳重な警備をしていた。

今、バンコクは赤色のデモ隊のために、
空港は厳重な警備体制一色だった。

まずは、空港の警備室に行き、
パスポートをトイレに忘れた事情を
私が英語で話す。

「あちらに行け！」

そちらで交渉すると、こんどは

「こっちに行け！！」

完全なる「たらい回し」状態！

しかし、何とか突破口が開けて
私は空港内には入れなかったが、
スタッフ１人だけは空港の警備担当者と
共に空港の中に入って行った。

ふーっ！これで大丈夫だ！

アライバルゲート外で
スタッフが再び出てくるのを待つ私。

この１０分から１５分の時間が
凄く長く感じられる。

でもこれで何とかなる！私は
そう自分に言い聞かせていた。

スタッフが空港警備担当者の方と共に
ゲートから出てきた。

そのスタッフの顔色を見て

私は一瞬で全てを悟った。

「パスポート、見つからなかった！」

さて、どうすればいいのか？？

空港に到着して既に１時間が経過していた。

岡山の歯医者
「なかの歯科・矯正歯科クリニック」 院長中野 浩輔

• 昭和62年3月 岡山大学歯学部 卒業
• 昭和62年4月 岡山大学歯学部第一補綴科 研修医
• 昭和63年4月 岡山大学歯学部第一補綴科 文部教官助手
• 平成4年4月 「なかの歯科クリニック」を開設

当院は、岡山市北区矢坂東町での開院当初から3つのスローガン「待たせない」「痛くしない」「よく説明する」を掲げた歯医者作りをしています。