1歳6か月検診
いつもお世話になっている
Sクリニックに精密検査に伺う。
看護師の方のフレンドリーな態度と、
プロフェッショナルな対応の素晴らしさに
感動すら覚える。
当院は、そして私はまだまだ甘いと痛感!!
その日の午後は、1歳6か月検診の担当の日だった。
中央保健センターから当院にわざわざお迎えの
車が来られる。
いつも月曜日に参加しているロータリークラブの
多くのメンバーの方には、お抱えの運転手や秘書の方が
いらっしゃって、クラブの会合が終わるのを待たれている。
自分の専用車と、お抱えの運転手、そして秘書の存在が
単なる歯医者の私には、とても眩しい!!
羨ましい!!!
そんな私なので、わざわざお迎えの車が来ることは
とても光栄で、少し車内ではしゃぎ過ぎたか?
運転手の方と往復の道中で話が凄く盛り上げる。
昨日の1歳6か月検診には60名近い参加者が
あると聞いた。
基本的に岡山大学歯学部卒業の私たちは
日本で有数の小児歯科の教育を受けてきたと自負している。
数カ月後には退官される岡山大学歯学部小児歯科学教室
下野教授の「子供を決して泣かせない小児歯科治療」は
私の臨床の大きな基礎になっている。
下野先生、本当に長い教授生活お疲れ様でした。
本当に今ままでのご指導に感謝いたします。
だから私は、自分のクリニックの勤務歯科医師が
子どもの治療で泣かせてしまう場面を見ると
残念で残念で仕方が無い。
「泣かせないことが一番大切!!」
今回も、泣かせない作戦は立てていた。
この作戦は毎年の大野幼稚園の検診では
抜群の効果を示して、幼稚園ではここ数年
1人も泣かないで検診は進んでいた。
しかし、4歳や5歳児なら、まだしも
1歳6か月はきつかった!!
まずは問診表から名前を読んで
こちらから、名前で呼びかけて挨拶!
「翔君、こんにちは!」
「面白いおもちゃ持ってるね!!」
「車が好きなの?」
マスクは降ろして、終始
満面の笑顔で対応!!
検診が終わった後は、必ず子供と同じ高さの目線で
「バイバーイ!!」と大きく手を振る。
しかし、しかし、95%のお子様は私の
顔を見るだけで大泣き!!
鳴き声は伝播して、部屋の中に木霊する。
2時間近く連続して、1歳6か月のお子様の検診を
するのも大変だが、それよりも、今の1歳6か月の
子供さんが持つ幾つかの問題点も明確になり、
実り多い検診となった。
疲れてきていた私に、遠方からあるお母様の
声が耳に入ってきた。
「カッコイイ先生に、歯を見てもらおうね!!」
かっこいい先生?私は周りを見渡した。
今日の担当の歯科医師は私だけ?
急に元気になる
現金な歯医者がそこにいた。