徳島の歯科事情。
徳島から岡山までの帰りは
岡山まで直行の「特急うずしお」
同じ日程で徳島市で開催された
矯正歯科学会中国四国支部会に参加された
岡山の矯正の先生のグループと
駅で一緒になる。
帰りの「特急うずしお」は、あまり揺れないで
うれしく思っていたら、多度津駅で
高知から来たアンパンマン列車と接続!
アンパンマンの声を聞きながら岡山へ戻る!
恐るべし、JR四国!!
土曜日と日曜日の2日間
私は徳島で歯科医院を開業されている
多くの歯科医師の先生と話をした。
時には酒を飲みながらの本音の話は
私にとっては、少しは予想はしていたのだが
衝撃的な内容の話が含まれていた。
徳島市で最近、ある2軒の歯科医院が廃業した。
普通であれば、歯科医師の場合、60歳を過ぎて
年を取ったうえに後継ぎもいないから、
歯科医院を廃業するというのが、今までのパターンであった。
しかし今回の廃業は内容が違った!
まだ割りと若い先生が患者さんが全然来られないからと
歯科医院を廃業されるパターンだったらしい。
徳島では一般の飲食店のように
ある日に急に歯科医院が廃業、倒産?する
パターンが出てきているのだ。
これは、東京では既に当たり前の
「歯科医院の倒産パターン」が、
遂に地方都市にまで波及してきてことを意味する。
最近では歯科医院の競争も激化しているので
歯科医院を初めて開業する年齢も徐々に高齢化している。
私たちが、以前岡山大学歯学部卒業生に
お願いしたアンケート調査によると
35歳を過ぎて40歳までに開業するパターンが非常に多かった。
40歳で1億円の借金を抱えて開業して、ローンは20年で組む!
するとローンを払い終えるころには、既に立派な60台!
多くの歯科医師が自分の城を持つことを大きな夢にしている。
しかし開業して身を粉にして20年間働いて
残ったものは何もない!
そんな時代がすぐそこにまで来ているのだ。
徳島の歯科医院で起こることは、
岡山の歯科医院で3年後に起こる。
いや今は時代のスピードは上がっているので、2年後に
岡山は間違いなく徳島と同じ状況にまで追い込まれる。
「一般の企業では、倒産は当たり前!
あなたたち医療業種は、国から守られている。
だから滅多に倒産しない!
医科も歯科も、私たちから見れば
凄く甘い世界だ!」
こんなことを私は他業種の友人から
言われる機会も多い!
しかし、徳島市の中心部を車で走らせると
どれだけ歯科医院の看板が多いか?
否が応でも目に付くのが徳島市の歯科医院の看板だ。
勤務医募集の歯科医師の求人を出してみたら
恐ろしい状況が目についてきた。
自分の歯科医院を持っている院長先生が
自分の医院が休診の木曜日や日曜日に
他の医院でアルバイトをするパターンが増えてきている。
また勤務医募集の広告を出すと、自分の父親ほどの
年齢も60歳オーバーの歯科医師の先生が
面接にやってきたという、笑うに笑えない話
も最近では多い!
徳島の歯科事情を見ると、地方都市の歯科医院の将来は暗いと言わざるを得ない!!
果たして、私たち歯科医師の何%が
自分の大切な子供に
自分と同じ歯科医師の職業を
薦めるのだろうか?