夜中のチョコレートチップクッキー
夜の7時,約束通りの時間に
B氏はホテルに現れた。
B氏の車で知り合いの日本料理の店へと向かう。
B氏は10年前にロスに来た。
その時は知り合いは一人もいなく、英会話もろくに出来なかったという。そこからロスで起業して、今では幾つものビジネスを、
ロスとそして日本で展開していて、幾つもの会社を所有している。
バレーパーキングに預けていたBMWの車種が、
B氏のアメリカでの成功を物語っていた。
B氏とお会いするのは2度目だが、自信のある風貌と、柔らかなその物腰は、私のシドニー在住の友人T氏を彷彿させる。
海外に着の身着のまま飛び込んで、成功されている日本人には、
いくつもの共通点があった。
B氏はアメリカの歯科事情にも詳しく、
数時間の話の中で私は多くのヒントを手帳に書き込んだ。
良い悪いは別にして、私は日本はアメリカの数年後を進んでいる気がしている。特に歯科医療は、アメリカで3年前に起こった波が3年後に日本に訪れる。
だから、アメリカから学ぶべき点は多い。
B氏と別れてホテルへと帰った私だが、
翌日の最終日の予定も全くの白紙になってしまった。
今回の大きなミスの原因は他力本願であったこと。
英会話に自信がないので人任せにしたことにあることは間違いない。
ここはやはり自分で動かないと!
ありがたいことにパソコンを日本から持参していた。
このサンセットタワーホテルは無料でハイスピードのインターネットが利用できる。
深夜までロスの、それもビバリーヒルズで有名な歯科医院の検索は続いた。
そして、深夜1時を回って、遂に見つけた!
ビバリーヒルズのロデオドライブの中にあるバブリーな雰囲気の歯科医院。
ホームーページではブリトニースピアーズもチャーリーシーンもそのクリニックの患者だと院長とハリウッドスターの多くの写真が掲載されていた。
ここだ!私が求めていたものは!!
翌朝一番に見学依頼の電話をしよう!目標は絶対叶うはずだ。
しかし、深夜1時を回っての、このホテルの周りの喧騒ぶりはあきれ返る。
周囲にナイトクラブが立ち並ぶ立地なので仕方がないのだが、深夜まで奇声とバイクや車のエンジンを吹かす音と、パトカーのサイレンが響き渡り、神経質?な私はなかなか寝付くことが出来ない!
しかし、このホテルのお夜食のチョコレートクッキーは凄くでかい!
握り拳以上、手の片サイズはある。
私の妻なら絶対に食べないだろう!そのクッキーが私には美味しくて、
深夜PCと格闘しながらクッキーを頂く!
明日も本気で頑張ろう!
自分にそう言い聞かせて
何とかベッドに潜り込んだ。