春が来た!
あの大企業から講演のオファーが?
私に??
今日来院されたインプラントの会社の方からも
私の講演について詳しく質問された。
また同じ日に出版社から印税報告書が私に届いた。
印税と講演会の講演料だけで食べてゆける日が来るのだろうか?
何て取らぬ狸の皮算用などをしていると、私が尊敬する渡邉美樹さんは
印税も講演料も全てカンボジアに寄付されていることを思い出した。
人間の大きさが違うのか?器が違うのか??ステージが違うのか???
渡邉美樹さんにあって私にないものは?いったい何??
今日の昼休みに、私はスタッフが準備してくれた3つの大きな
荷物を抱えて、当院から車で15分ほどのAさんのお宅に伺った。
Aさんのご主人から
「最近妻の食事をするスピードが凄く遅い。
どうも入れ歯の具合が悪いらしい!」と電話がかかったからだ。
Aさんの入れ歯は、この私が4年前に、同じくお宅にお邪魔して作らせていただいたものだ。
Aさんは若いときからの持病で、車椅子での生活を余儀なくされていたのだが
5年前、大きな病気を併発したために、全く口から物を食べる事ができなくなっていた。
私が最初お宅にお邪魔した時は、ベッド上で起き上がる事すらできずに
Aさんは「胃ろう」と言って直接胃に穴を開けて栄養をチューブで送り込んでいた。
私や衛生士の問いかけにも、ほとんど反応をすることはなかった。
以前別の患者様で、ベッド上でほとんど反応がなかった方の
入れ歯を作ったとき、入れ歯をいれた翌週にその方が
庭を散歩されている状況を見て、入れ歯の噛み合わせがどれだけ大切かを
痛感した私なので、その時も半信半疑ながら一生懸命ご自宅で
入れ歯を作成した。
Aさんの入れ歯は、優秀な歯科技工士Yさんのバックアップもあって
最初からバチッと合うことができて、数ヶ月には
Aさんの胃から胃ろうのチュ-ブが抜かれて、口から100%物を食べる生活を
Aさんは取り戻すことになった。
その思い入れの深いAさんの入れ歯の修理のために、今日はお宅に伺った。
いつも感心させてもらうのは、Aさんのご主人の献身的な介護ぶり!
いつかご主人から話を聞かせてもらった事があったのだが
介護保険などない昔から、ずっとAさんは奥様の介護をされていた。
下の世話から、食事の世話はもちろん、着替えまで全てがAさんの仕事だった。
奥様の介護のために、定年より少し早く仕事を退職したとも伺った。
いやはや凄く深い愛情が本当にうらやましい。
私の妻が年若くして病気で介護が必要になったなら?
①私はAさんと同じように例え自分の仕事の量を減らしても
大切な妻の介護に生きてゆくのか?
②それともどこかの施設に妻を押し付けて、若い女性に走るのか?
答えはもちろん前者①だよな?と考えながらAさんのお宅の外に出てみると
4月らしい春のポカポカとした暖かい陽気が遠くまで漂っていた。
何か久しぶりに春を感じた今日
私は何となく幸せだった!!