歯医者の火傷(やけど)
今日は啓蟄(けいちつ)
暦の上で、冬の間、眠っていた虫が起き出す日だ。
暖かくなってくると、私の○○○の虫もボコボコと。。。
ボコッ!!
ワイヤー矯正で使うワイヤーでNi-Ti(ニッケルチタン)製のワイヤー
針金がある。
弱い力を長時間かけるのに最適なこのワイヤーを
最近の矯正治療ではよく使用する。
このワイヤーはかなり弾性が強く、一度大きく曲げてもすぐ元に戻る性質がある。
そのため針金の隅は、ガスバーナー加熱して熱処理をする必要がある。
今日も私はこのニッケルチタンワイヤーをいつものように加熱していた。
このワイヤーはガスバーナーで直ぐに赤くなるので
加熱しすぎは強度的に弱くなるために注意しないといけない。
しかし今日はなかなか赤色に加熱されない。
おかしいなーー?色が変わらない!
と言って私の左手の中指を見ると
ガスバーナーで燃えていたのは、矯正の針金ではなくて
私の中指だった。
ギャー!患者さんの前では声に出すことはできなかったが
私は自分の左手の中指を見て驚いた。
中指が燃えている!!
ガスの炎は昼間は見えにくい時があるのだが
私の見えた炎より実際の炎はかなり前方まで火を放っていた。
ゴム手袋が黒くただれて、瞬時に縮む。
慌てて流しに走り、冷水で中指を冷やす。
大きな火傷にならなかったのは不幸中の幸いだが
私はその火傷の後で、奇妙な経験をすることになった。
中指の軽度の火傷とはいえ、水膨れが出来て、かなりの痛みを発する。
冷水で冷やしていないと、痛くて痛くて仕事どころでは無い。
しかし予約は入っていて患者様は次から次へと来院される。
診療に入り、仕事に熱中すると、左手の中指の痛みを一時的にでも
全く忘れるのだ!痛みを一時的に全く感じなくなるのだ。
痛みの波が来ているのかなと思ったが
左手の痛みに意識を集中すると、痛みをかなり感じる。
意識を患者様の治療に集中すると、不思議に中指の痛みを感じなくなる。
痛みは左手で感じているのではない!私の脳で感じているのだ。
自分の意識を、痛みに集中すると、より痛みを感じやすい!
別の物事に意識を集中して、痛みから意識を反らすと、痛みを感じにくくなる。
心理学的に、生理学的にこの仮説は正しいのであろうか?
それとも私が普通の人以上に鈍感なだけなのだろうか??
とにかく私達歯科医師も今まで以上に、心理学や脳の生理学を学ばなければならない。
まずは心理学から!!
コーチングやNLPだけではない、もっと深い心理学を私は学びたい!!