ホテル体験記 「 ブルーオーシャニック ビーチホテル ( スリランカ ) 」
スリランカはインドの東南に浮かぶ島国です。日本では紅茶と宝石が有名ですが、ニゴンボはスリランカの国際空港から車で20分ほど走ったところにあるビーチリゾートです。
スリランカは当時タミル過激派と国軍との内線が活発化していて、爆弾テロがあったのもこのころでした。 そんな時に行った私たちも悪かったのですが、この空港から私達の恐怖の旅は始まりました。
シンガポール経由でスリランカに到着したのは夜の1時過ぎ。日本を出発してから既に16時間が過ぎていました。しかし、予約していたホテルの送迎車が来ていません。
深夜の空港には私達をカモにしようとする(私にはそう見える)色黒の男達が、「TAXI?」「HOTEL?」と次々に声をかけてきます。 空港を出て、正規のタクシー乗り場に向かいましたが「ないっ!」タクシー乗り場がありません。もちろんバスは走っていません。
仕方なく空港に戻り一番信頼できそうな人にタクシーを頼みました。 その人の案内で車まで言ってビックリ! ふつうのバン、それもボロボロ、白タクです。 TAXIの文字はどこにもありません。
車に乗って運転手を見てまたまたビックリ!歯がない、前歯がありません。それにいかにも人をだましそうな顔つきをしています。 車はすぐ出発をしましたが、空港を出る前に2ヶ所検問があり、ライフルを持った軍の関係者がチェックしています。すごい警備体制です。検問の後は真っ暗な道が続きます。
方向があっているかどうかもわかりません。このまま道のヘリに車をとめてピストルやナイフなどを突きつけられたらどうしよう? お金とパスポート位ならいいけど、まさか命まで取らないよな?子供達はどこかの国へ売りとばされるだろうか?やっぱり来るんじゃなかった。後悔しきりです。
そうこう考えているうちに車は猛スピードでとばしています。殺される前に交通事故で死ぬかもな?と思っているうちに「HOTEL!」と運転手が言うので見てみると何と無事にホテルに到着していました。絶対ボッタくると思っていた私に前歯のない彼は500RS(約900円)だけ請求しました。(これでも高いかもしれませんが)「生きてて良かった!」と安心したのはつかの間でした。
地球の歩き方でニコンボの町では最高級のリゾートと書かれていたのでこのホテルにしたのですが最高級とはあくまでニコンボの町の中ではでした。 エアコン付きのはずが天井のファンしかない、バスルームはお湯が出ない、出る水はチョロチョロ、それも茶色い、ヤモリはいっぱい、エキストラベッドはギーギーすごい音、シーツはしめっている。波の音がうるさくて眠れない。 数え上げるとキリがありません。
しかし一番困ったこと私達を恐怖のどん底に追いやったのは、ホテルのフロントに届いているはずの日本への帰りの飛行機のチケットが届いていなかったことでした。「ガーン!!」「日本へ帰れない。」私達はいったいどうなるのでしょうか? スリランカの夜はどんどんふけてゆきます。