専門医と認定医
最近の患者様は色々な医療の事情に詳しい方が多く、
今日も「そちらの院長先生は○○学会の専門医ですか?」と電話での問い合わせがあった。
歯科の世界も細分化されていて、各々の分野に専門の学会がある。
私自身も、審美歯科学会やインプラント学会など数多くの学会に所属している。
しかし実は私は、専門医や認定医の資格は一つも持っていない。
私が岡山大学歯学部を卒業した後に、残った医局は、補綴科(ホテツカ)と言って、差し歯や入れ歯を作ることが専門の医局だった。
私は卒業以来、19年間補綴学会の会員であり続け、会費も納め続けていた。
ある時に某医局の教授から、補綴学会の認定を取るように薦められた。
岡山大学歯学部は、今年から臨床教授を採用しており、臨床教授に選ばれるためには、学位か認定医の資格が少なからず必要だったからだ。
認定医を取得するには、クリアしないといけない基準がある。
学会に何年以上在籍しているとか?学会発表や論文提出の経験があるとか?
今まで学会に何回か?出席した経験があるとか?
その基準をクリアしたものが、初めて診査を受ける土俵に立てるのだ。
学会発表も、論文掲載も、私は問題なかった!
問題は今までの学会出席日数だった!
私が補綴学会事務局に問い合わせた、過去の学会出席日数を聞いて、驚いた!
0 (ゼロ!)
ゼロって一回も無いってこと??
私が医局に在籍していた20年近い前の記録は全く数字として記録されていなかったのだ。
何のために、私はこれまで学会の会費を一度も遅れないで、払い続けてきたのか?
既に単位は全て取得しているはずの私は、どうしても納得がいかないために
学会事務局に、抗議の長ーい、長ーい、手紙を書いた。
すると、その手紙は事務局から、学会のお偉いさん!大阪大学のY教授の元に転送された。
Y教授は私が以前から大変お世話になているエラーい先生!
そのY教授からその暑ーいクレームの手紙は、岡山のK教授へと転送された。
「中野が学会にクレームをつけているらしい!何とかしてやってくれ!!」とのコメント付きで!!
お世話になっている先生方に恥をかかせる訳にはいかないと、
数年前に私はきっぱりと認定医を取ることはあきらめた。
すると補綴学会から先日連絡が来て、認定医は自動的に専門医の資格にアップグレードされるとか?
喉から手が出るくらい欲しい、欲しい、認定医と専門医!
お金で買えるならとっくの昔に買っている!!