ホーチミンの危ない夜
なかの歯科クリニックでは本日から
年始の診療を始めております。
今年もどうぞよろしくお願いします。
ホーチミン郊外、私の目の前のマッサージ店は
アジア特有の怪しい雰囲気はなく、
いたって健全な普通のお店に見えた。
その時の私のポケットには
ビザのクレジットカードが1枚と
10万ドン紙幣が3枚、5万ドン紙幣が1枚しか
入っていなかった。
どうやってホテルまで帰ろう?
最悪、タクシーでホテルまで帰り
部屋からドル紙幣を持ってきて運転手さんに支払う!
1時間以上を掛けて歩いてホテルまで戻る!!
本来であれば無事にホテルまで帰ることが
第一優先であると思われるのだが
ホテルのレストランで飲んだ1本の
サイゴンビールが私の判断を狂わせていた。
私は夜の10時過ぎに,場末のマッサージ店に入っていった。
お店に入るとメニュー表があり、60分の
個室でのトラディショナルなマッサージが10ドル、
800円程度と書かれている。
60分で800円ならアジアでは一般的な価格である。
クレジットもOKと言ってくれる。
高くもなく、極端に安くもないので
私は少し安心して、1時間のマッサージをお願いした。
ロッカーでTシャツと短パンに着替えて
薄暗い部屋に通された。
その場に若い女性が現れて私は驚いた!!
完璧なお化粧に、ピンクとオレンジの
テカテカに光るミニのエッチなユニフォーム!!
えっ!ここってトラディショナルでしょ??
セクシャルなマッサージ店と違うよね?
私の緊張感は一気に高まった。
まずいよな!
もしここが変なお店でも、私は現金を持っていない!!
お金で解決できないと、私の体に危険が及ぶ??
彼女の指先の位置に終始気を配りながら、
いたって普通の60分間のマッサージは終了した。
完璧に化粧をした若いベトナム人の彼女は
私にチップを要求した。
私はタイであれば、800円程度のマッサージでは
100円か200円程度のチップを支払うことが多いのだが
ベトナムの相場は幾らなのか?思い切って彼女に聞いてみた!
「ハウマッチ?ドゥーユーワント??」
「テゥエニーダラー!サーティーダラー!!フォーティーダラー!!!」
ちょと待って!10ドルのマッサージで
どうしてあなたはその2倍も3倍もチップを
要求するの??
5ドルのチップの提示に、しぶしぶの彼女を前に
私はロッカーで着替えることにした。
ロッカーに案内してくれた男性のスタッフが
私の元に来て耳元で「チップ!チップ!!」と
要求してくる!!
私はあなたから別にサービスは受けていない!!
しかし、安全に帰るために5万ドン紙幣を握られる。
マッサージ店を出ると、一斉に私の元に普通のタクシ-や
バイクタクシーが寄ってきた。
まずい!
完全にカモにされている!!!
バイクタクシーなら値段交渉が可能と
思って「○○ホテル?」と聞くと
「ワンダラー!」と言うので「OK!!」
と言って私はヘルメットも被らないで
バイクタクシーに乗った。
運転手の人は中年の女性の人!
メイクなのか?整形手術なのか?
壊れたマイケルジャクソンのような
思いっきり作ったような顔をしている。
その運転手の人が私に話しかけてきた。
「マッサーッ!マッサーッ!!ヤングレディー!!!」
どうなら怪しい店に私を連れて行くと
その女性にお店からお金が入るような仕組みがあると
私は感じた。
熱心に熱心に私を口説く!!
怖いことに右手でハンドルを握って
左手で私の太ももを撫で出した。
「マッサーッ!マッサーッ!!ヤングレディー!!!」
「ノー!!○○ホテル!!」
「マッサーッ!マッサーッ!!ヤングレディー!!!」
「ノー!!○○ホテル!!」
私はバイクでヘルメットを被っていない!
マイケルのような女性は、右手でハンドルを握って
左手で私の太ももをまさぐっている。
ここでもし交通事故でもしたら??
執拗な攻撃をかわして何とか私はホテルまで戻ってきた。
ホテルのフロントまで行かないで、離れた場所にバイクを停めた
マイケルは、私がポケットから10万ドン紙幣を2枚渡すと
「ワンモアー!」とおねだりしたので最後の1枚を彼女に渡した。
帰って、ホテルのフロントにある
パソコンでベトナムのドンの為替を
確認した私は愕然とした。
やはり私は1ケタ間違っていた。
行きのタクシーでは5000円近いお金を支払い
帰りのバイクタクシーでは1200円近い大金を支払っていた。
初日の夜で私は手持ちのベトナムドンを
全て使いきってしまった。