寂しい日曜日
今月号のプレジデントによると
「歯科医師国家試験に強い大学」の
栄えある第2位に岡山大学歯学部が
ランクインされていた。
パチパチパチ!!!
うれしいと共に、本文では
「歯科医師の数は凄い過剰で、
2025年には18000人もの歯科医師が
余るという厚生労働省の試算が出されている」
と書かれていた。
日本全国でわずか10万人しかいない
歯科医師の20%近くが不要とは?
16年後には私は62歳となる。
老兵となる私は、世間から必要とされなくなれば
潔く立ち去るのみだが、今から歯学部を
目指す学生さんたちがこの文章を読んだらどう思うか?
凄く忍びない!!
日曜日に、インプラン学会の後に
一つのセミナーを受講して、私は大阪環状線で
京橋に向かった。
私が大阪に行くのは、歯科医師関係の学会か
セミナーがほとんどなので、梅田周辺と
千里中央周辺と、なんば駅周辺までは
少しだけ地理感があるのだが、京橋駅で
降りるだけでも、異次元に迷い込んだような
違和感を少し感じる。
私は目の前の京阪電車の乗り場に急いで
楠葉駅の切符を購入した。
当院では2か月に1度、診療を休診にして
勉強会を開催している。
12月の勉強会の講師に私はある方に
白羽の矢を立てた。
その方と日曜日の夜に、食事をしながらお願いするために
私は京阪で楠葉駅を目指した。
いつもお世話になっている坂井先生が
香里園で開業しているので、香里園までは
何度も京阪を使用したことがある私だが
香里園から先の空間は、もはや異次元!
多くの人が乗車している京阪電車で
窓の外がドンドン暗くなってゆく様子を見ながら
私はいったい何をしているんだろう?と心細く思う。
楠葉は、京阪が力をこめて再開発を
している地域らしく、駅前の楠葉モールも
新しくて凄かった。
既に真っ暗になった楠葉で私は
指定された「元気食道ゆにわ」に向かった。
その「ゆにわ」で私は12月の講師をお願いしようと
思っているOさんと待ち合わせをしていた。
「ゆにわ」に入ると、いきなり受験生向けの
書籍が目に入った。
なぜか不思議に思う私にOさんはゆっくりと
解説をしてくれた。
凄い話だった。
しかし、この食堂は食べ物の味と素材の
レベルが凄い。
最初に出てきた温野菜のサラダは
北海道洞爺湖のホテルで食べた
ミッシェルブラの温野菜のサラダを彷彿させた。
土鍋で炊きあげられたご飯の美味しさに
日本人でよかったとしみじみと思った。
今、世界の料理はエルブジを代表とする
マクロ的なものが席巻しているが
世界の料理人が最終的に行くつく先が
日本料理だと言われている。
私たち、日本人は本当に幸せな民族なのだ。
(ちなみに日本人の女性は世界で一番男性からモテル!
日本人の男性は???)
3時間程度、Oさんと話をしながら美味しいものを
食べた後、Oさんが携帯電話をかけに席を立った時に
こっそりとお会計を済ます!
クレジットカードが使えないで1万円札を出すも
財布の様子がいつもと違う感触を、私はその場で敏感に感じた!
何かがおかしい?
その場では気がつかなかったことが
お店から楠葉の駅までのタクシーの支払いで
発覚した。
そのタクシーもカードが使えなかった。
私が、何度も何度も財布に手を入れてみても
出てくるのは1000円札1枚だけだった。
最後の1枚の1000円札をタクシー代金として支払う。
やばい、そう言えばインプラント学会の
当日会費2万円は受付で現金でしか
受け付けてくれなかった。
使いすぎたか??
慌てて、楠葉の駅で小銭入れを覗く!!
京橋までと、新大阪までは小銭は足りそうだ。
新大阪から岡山までの新幹線の自由席の切符は
行きに買っていたので大丈夫!
ほっ!
としたのも束の間、
待てよ?今何時だ。
最終の新大阪発の岡山行きの新幹線は
11時前後だったと記憶している。
財布には小銭をすべて集めても
1000円にも満たない!
最終の新幹線の出発時間まであとわずか!
絶体絶命のピンチ!!
私は日曜日の深夜、
大阪で一人で何をしているのだろう?
何か凄い寂しさを体中で感じた。