歯医者の背伸び!
先週の土曜日
私はA歯科医師ご夫妻と
東京で夕食を共にした。
A先生の奥さまも、歯科医師であるが
奥さまのお父様も、また歯科医師である。
私は結婚してすぐの時(20年近く前)
A先生のお父様に、とてもお世話に
なったことがある。
都内の診療室を見学させてもらった上に、
東京全日空ホテルの最上階の鉄板焼のレストランで、
夫婦でご馳走になったことがある。
あの時のことは今でも鮮明に覚えている。
医師や歯科医師になると、すぐに給料が
もらえると思ったら大間違いだ!
その当時の私は、大学病院に勤務していたのだが
週に1度行くアルバイトで生計を立てていた。
妻には当時、お金の面では苦労をかけたと思う。
東京に行った回数もその時は、わずか数回
単なる貧乏の田舎者の歯医者の私は、
産まれて初めて入った鉄板焼のレストランの
バカ高い料金表を見て、目を向いた!
セットメニューが当時1人前2万円近くした
(と記憶している!)
私たち夫婦は、東京の夜景のキレイな席で
乾杯の1杯のビールで真っ赤になりながらも
極上のお肉に舌づつみを打った。
本当に、本当に、美味しかった!
東京の何もかもが凄いと驚いた。
産まれてから当時27年間、岡山から
県外に出たことすらない岡山しか知らない私は
まさにカルチャーショックを受けた。
あれから20年が経過した。
A歯科医師ご夫妻とは、1年ほど前にも
食事をご一緒した。
その時は、東京の超有名私立高校出身のA先生に
予約がなかなか取れないと言われている
あるレストランに連れて行ってもらった。
今度は、私がお返しする番だ。
ずーっと東京育ちのA歯科医師ご夫妻と
食事をする店を、私は延々と探していた。
そして、ミシュラン東京で星が付いている
あるホテルに入っているフレンチのレストランを
予約した。
私たち夫婦は、基本的にフレンチは
岡山の「ルメナージュ」のフレンチ以外は
美味しいとは思えないのだが、
A歯科医師ご夫妻は、長身の美男美女のカップルなので
フレンチがお似合いと思った。
料理はコースメニューなので、あらかじめ
電話で頼んでおいた。
フレンチのレストランは、天井が高く重厚な作りで
東京の夜景がとても美しかった。
お客様は予想以上に多く、繁盛していた。
それも意外に若いカップルが多いことに私は驚いた。
食前のお飲み物をと、ウェイターの方がリストを
持って私の元にやってきた。
「只今、このシャンパンのキャンペーンを行っています!」
と言われたメニューの一番下には、
○○シャンパンロゼ ボトル1本9万円と書かれていた。
きゅ、きゅ、きゅ、キュー万円???
「つ、つ、つ、妻が、シャンパンが飲めないもので!」
と咄嗟に私は嘘を付いた。
それならと、次にワインリストをお持ちになった。
ワインリストの最初のページには
フランスの見たことがないような値段のワインが
ずらっと並んでいた!
「今、ニュージ-ランドのワインに凝っているので!」
と私は、またもや嘘を付いた。
美男美女の歯科医師ご夫婦とフレンチを食べながら
私たちは私が選んだ、ニュージーランドのワインを飲んだ。
1本が2万円近いワインは、私には
あまり美味しく感じられなかった。
やはり背伸びはいけない!
大好きなイタリアンの店にすればよかった!!
翌日、講演会の打ち上げで仲間と行った東京駅近くの居酒屋で食べた焼き鳥は凄くうまかった。
やはり背伸びはいけない!!