映画「宝島}
沖縄出身のとしちゃんがいた。
としちゃんは2浪なんで私より
2歳年上であったのだが
最初からフランクに私に接してくれた。
としちゃんは、沖縄らしく掘りの深い男前だった。
私は大学1年生の夏、としちゃんに無理を言って
生まれて初めて沖縄に行き、当時のとしちゃんの
実家であったコザ市のスーパーの2階に宿泊させて貰った。
行きの飛行機は伊丹空港から那覇空港まで飛んだ。
飛行機の横に座った女子高校生と仲良くなり
兄のことを「ニイニイ」姉のことを「ネイネイ」
と呼ぶ言葉と、沖縄弁が18歳の私には新鮮だった。
沖縄での数日間は夢のような時間だった。
昼は当時有名なホテルだった
ムーンビーチホテルのビーチに行き、
観光客をナンパした!
生まれて初めて、としちゃんの車でドライブスルーで
A&Wにハンバーガーを食べに行き
ルートビアと呼ばれるサロンパス味の
飲み物を飲んだ。
夜は「沖縄は楽しみが無いのよ!」と言う
としちゃんに誘われて、
ゼロヨンと呼ばれる公道のレースを見に行った。
沖縄は刺激に満ちて、元気が溢れていたが
当時から米軍基地のあることが前提だった。
深夜にコザの飲み屋街で黒人の米兵に会うと
肌は黒くても歯だけが白くて
私は何度も恐怖感を覚えた。
しかし、しかし、沖縄の生活は
全てが田舎者の私には新しくて刺激的だった。
62歳の私は沖縄の過去の歴史については
日本人として一応知っているはずだった。
しかし、昨日見た「宝島」の映画は違っていた。
「戦果アギヤー」の存在を私は知らなかった。
としちゃんの実家はコザ市なので「戦果アギヤー」のことは
勿論良く知っていたはず!
何も知っていなかった私は今から45年前に
沖縄のコザ市で、としちゃんと夜な夜な遊んでいた。
としちゃんとは大学を卒業以来1回も会っていない。
元気に歯医者の仕事を頑張っているだろうか?