哀愁のシンガポール
ある友人から、日本の今後を占うために、
「アジアに出てきて現地の視察をしないか!」
と誘われたのは、わずか1ヶ月前だった。
ゴールデンウイークの最中だったので、チケットはシンガポール発券の「ヨビヨセ便」を押さえる。
この辺りはマイラーの私にとっては朝飯前の事である。
土曜日の夜に、勤務医の先生達としこたま飲んで、
思いっきり二日酔いの真っ赤な顔で日曜日の朝を目覚めた。
朝から気持ちが悪い!
関西空港からSQでシンガポール、チャンギ空港を目指した。
このSQは機体も小さく、今回の往路では大きく何度も何度も揺れた。
元から乗り物酔いしやすい性質の私は、
昨日からの二日酔いの酔いも相まって、
久しぶりにとても辛い7時間を過ごした。
機内食が食べられない!食べることができたのはお素麺だけ!
後は、水をがぶ飲み!
7時間の間に何度も何度もトイレの行列に並んだ。
狭いエコノミーのキャビンでの7時間の拘束は、
私の体力だけえはなくて気力まで奪っていった。
着慣れないスーツで過ごす7時間も辛かった。
機内で読んだシンガポールの現地の新聞には週末版のためか?
多くのコンドミニアムやプール付きの豪華マンションの広告が並び、
一時の日本のバブル期を髣髴させた。
しかし、シンガポールは何年ぶりだろう?
医院旅行で、皆で来たのはもう8年以上前?
今、1シンガポールドルって日本円で幾らなんだろう?
ガイドブックの1冊すら持たずに、小さなカバン1つで、
ほとんど着替えすら持たずに、シンガポールにやってきた
変な日本人の歯医者は、入国診査では思いっきりの笑顔を
係官に向けるのだった。
市内までタクシーで移動して、仲間に合流してセミナーを受講した。
セミナーの内容は、日本を含めた今後のアジアの動向!
私を含めて多くの歯科医師や歯科医師の奥様がその日、
アジアから俯瞰した日本の歯科医療を学んだ。
セミナーは深夜まで続いたが、深夜になっても
シンガポールの気温は余り下がらなかった。
翌朝、起床してプールで人泳ぎした後、
ブレックファーストミーティングを済ませて現地視察に向かった。