坐禅断食2日目
土曜日は坐禅断食の
注意点を聞いてさっそく3回もの
坐禅に入った。
今回の3日間の坐禅断食では合計18回もの坐禅を
繰り返す。
「瞑想」と「坐禅」の違いはいったい何なのだろう?
瞑想は基本的には目をつむる。坐禅では目はつむってはいけない。
如来像のように半眼と言って半分だけ目を開ける。
手は瞑想では外に広げて親指と人指し指を繋いで丸をつくる。
坐禅では両手を前で合わせて大きな円を作る。
瞑想ではマントラといって呪文のようなものを口の中で聞こえないように
唱え続けるが坐禅ではお経など唱えることは無く呼吸の数を数える。
そして一番大きな違いは坐禅には警策と言ってお坊さんに木の棒で
バシッと叩かれることがあることだ。
私は基本的にM体質なのでこの警策がたいそう気に入ってしまった。
初日の土曜日のプログラムは無事終わった。
温泉につかり早めの就寝を心掛ける。
とは言ってもまだ夜の10時前!
スーツケースに持参した9冊の本の中から
直感で今夜読む本を決める。
空腹と慣れない環境でなかなか寝付かれない!
しかし何とか目をつむり2日目の朝を迎えた。
早起きは苦痛ではない!6時にお願いした
モーニングコールはいつもの私の朝の週間を
知っているかのごとく5時55分に電話のベルを鳴らした。
2日目を迎えると、会場内は元気な人のグループと気分の悪さや
体のだるさや痛みを訴えるグループにはっきりと分かれていった。
私と友人数名は体のだるさも気分の悪さも何も感じないで
順調に時は過ぎて行った。
体調の悪い参加者に他の参加者がマッサージをしたり、お灸をしたり
色々とフォローをしている姿には感動を覚えたが
私は歯科医師であり、このような場合何も役に立たないこともよく分かった。
虫歯の治療が人より少しうまくできても、この場では単なる役立たずだった。
いつもお世話になっているアイナリーホールのYさんや、私が大好きな食堂のKさんが気分を悪くして横になっている姿を見ても、男性の私は声さえかけるすら出来なかった。
2日目はさすがに長かった。
計11回の坐禅の他にもお経の唱和や
私を苦しめた合掌行などの行が挟まれていた。
断食が始まって2日が経過しても私は不思議と空腹感で悩むことも無く
体調は逆に段々切れを増すように感じた。
日ごろ私がいかに食べ過ぎているか?
過ぎることは大きな過ちである。
過食と飽食に走っていて体がそれに麻痺していることが
全身で感じることができた。
このまま3,4日何も食べないでも私は元気にやっていける
私の食欲は消え去った!そんな気分にさえなっていた。
2日目のプログラムが全て終わり、温泉から出たところで、
ばったりと友人の歯科医師のT先生に会った。
T先生は友達の歯科医師の先生と共に
この宿に宿泊して料理と温泉を楽しんでいるらしかった。
「美味しい料理とビールでこれ以上何も入んないよ!」
そう言ったT先生の体はビールで赤く染まり
なぜか私をかなり現実に引き戻すのだった。
「風呂上りにビールが飲みたい!!」