MI治療と初期虫歯
木曜の朝からクレームにへこむ。
クレームはチャンスである。
わざわざクレームを言ってくれる患者さんを
本当は一番大切にするべきだとは頭では判ってはいるが
心ではやはり大きくへこむ。
私は、まだまだ人間が出来ていない!!
ここ数年虫歯治療の考え方が大きく変わってきている。
それはMI(エムアイ)と呼ばれている。
MIとはトムクルーズが主演したミッションインポシブルの略じゃない!
MIとはミニマムインターベンションと言って
簡単に説明すると、虫歯の悪い箇所だけ最小の量を削ってそこを詰める治療法だ。
昔の虫歯の治療法はこのMIではなかった。私が大学を卒業した20年前は
このMIの考え方は無かった。
その代わりに私達が習っていた方法は予防拡大と言って、
虫歯になりやすい場所まできちんと削る方法だった。
おそらくそんなに大きく見えなかった虫歯を
思ったより大きく削られた経験は誰にでもあると思う。
昔は材料の面でこれは仕方なかったのだが、最近の材料は
接着といって歯に強力にくっつくようになったために
今ではこのMIが可能になっている。
もちろん、歯を削る量が少ない方がいいに決まっているし、長い目で見ると間違いなく歯を削る量が少ない方がいい。
もう1つの大きなキーワードがCO(シーオー)だ。
シーオー?
そうシーオー!
C1(シーワン)とかC2(シーツー)とか聞いたことはあると思う。
シ-オーとは歯の表面が白く白濁した状態で初期虫歯とも呼ばれる。
最近ではC1の前のCO(シーオー)初期虫歯の治療の概念も変わっている。
それは初期虫歯はフッ素の利用などで治る可能性が高いので
削らない方がいいという考え方だ。
歯に取って虫歯の初期段階であれば削らないほうがいい。
もちろんきちんとした診断が大切だ。
最近ではレーザーを使って虫歯の進行が測れる機械も出ている。
診断用のKAVOのレーザー機器と、虫歯のMI治療が可能なHOYAのエルビウムヤグレーザーがあれば鬼に金棒である!!