棘(とげ)
今年に入り、仕事もプライベートも大忙し!!
昼休みも、診療後も人に会う用事が多い。
ここ数日「鍋」が続く我が家は私だけ深夜に
一人鍋!!これはこれで味がある。
大きな波が私に向かって押し寄せている。
数十年に1度のビッグウエーブ!
私はこの波を必ず乗りこなしてみせる!!!
先日いらなくなった机を運んでいた私の右手中指に
いきなり激痛が走った。
軍手を外してよく見ると、大きな棘(とげ)が見事に右手中指に
刺さっていた。
まずい!私の右手は「ゴールデンハンド」もしくは「奇跡を起こす右手」
と呼ばれている、いや自分でそう呼んでいる。
その右手が負傷しては商売あがったりである。
そろそろと棘を引き抜こうとするも、全然びくともしない。
力づくで引っ張ると、ポキンと棘が折れた。
折れても右手中指にはうっすらと黒い棘が刺さっているのがよくわかる。
この傷から破傷風でもなったらさあ大変と大声で妻を呼んだ。
診療室から麻酔の注射針を持ってきて、その針で棘を取ってもらおうと
思ったからだ。
とりあえず痛いのは嫌なので、自分で自分の右手に麻酔の注射をした。
これが右手が使えないので左手は先を押さえて、お腹でシリンジを押すという
離れ業をやってのけた。
注射針は当院のは極細で柔らかいので、中々硬い皮膚を通過しない。
裁縫で使う針を持ってきてもらって、その先をガスで焼いて消毒した。
そう言えば私が小さい時、何度も何度も棘が指に刺さり
母親に同じような処置を受けたものだ。
刺抜き(とげぬき)も私が子供の頃は各家庭には必ず常備されていた。
それがいつから私達の子供達は指に棘を刺さなくなってしまったのか?
木に触れ合う機会がないのだろうか??
そんな昔の干渉に浸りながら、妻が私の中指の棘は何とか抜いてくれた。
抜き去って初めてわかったことだが、棘は1cm近くも指に入り込んでいた。
抜いた血だらけの1cmもの長さの棘を見た私は、顔から血の気がうせるのを感じた。
急に気持ちが悪くなってきた。
さっきまで麻酔をしているときの私のあの元気はどこへ行ったのか?
だから男は駄目なのだ!!