夢の実現への退職
昨日は飲みすぎ、しゃべりすぎで
朝から声がつぶれている。
1次会からいきなりのワインがまずかった。
飲み会の翌日はスタッフの顔を見るのが恥ずかしい!
昨日の木曜の夜は6月一杯で退職したスタッフMの送別会を行った。
会場は満を持して私が予約した「野菜食堂 小山」。私が最も大切にしているお店の一つだ。
スタッフMは当院で10年間以上歯科衛生士として働いてくれた。
しかし事情があって7月からは別の職場で働くことになった。
そのことを私は前もって彼女から相談を受けていた。
スタッフMが当院を退職することは、当院にとっては間違いなく大きなマイナス!
しかし彼女のこれからの人生と、10年間彼女が言い続けてきた
彼女が求める大きな夢の実現を考えると、
新しい職場での仕事は、彼女にとっては大きなプラスでもあり、
彼女自身が大きく飛躍するチャンスでもあることは
誰の目から見ても明らかだった。
私はその両方を天秤にかけた。
そして彼女の夢の実現に私の天秤は大きく振れた。
私はそのことを何度も何度も後悔した。
彼女の退職を告げた朝、数名のスタッフが彼女の退職を知って
ショックを受けて涙した。
私はそのスタッフ達の涙を知って再び後悔した。
今ならまだ間に合うか?
彼女と始めて出合ったときの事を昨日のことのように覚えている。
歯科衛生士の仕事を、これからの高齢化社会での衛生士の役割を
彼女は本当に熱く語った。
その当時の私も彼女に負けず劣らず熱かった。
そして彼女は当院で働き始めた
何度も何度も仕事のことで話し合ったり、時にはお互いに涙を受かべながらケンカもした。
そしてお互いに学びながら成長していった。
私が一番残念だったことは、彼女の最長のスピードと比較して
私の成長のスピードが遅かったこと。
私がもっと成長するスピードを上げていれば今日という日は来なかった。
私はまたまた後悔した。
送別会で彼女に送るもの?
私は考えに考え抜いて、14年間歯科医院の院長をしていて
始めてスタッフに感謝状を送ろうと決心した。
最初の感謝状には、「きっと当院に帰ってきてね賞」と副題を付けていた。
最後にも「あなたは当院に必要です、かならず帰ってきて下さい。」
との一文を入れていた。
この感謝状を読んでみて私は何て自分が小さいのだろうかと呆れてしまった。
どうして新たな道を進む当院のスタッフに、もっと前向きな言葉をかけることが
できないのだろうか?
彼女は敢ていばらの道を選んだ。
その彼女にエールをおくる、元気つける言葉をなぜ私は彼女にかけることができないの?
一番不安に思い、一番心配に思い、一番後悔しているのは
もすかしたら彼女かもしれない。
私は出来上がった1枚の感謝状を破り捨てた。
今まで本当に当院で頑張ってくれてありがとう!
これからもお互いに高めあうような関係で頑張りましょう。