患者様への電話
当院の歯科衛生士松尾が
岡山大学歯学部で開催されていた
摂食嚥下リハビリテーション上級者コースを
無事終了いたしました。
これで当院の訪問歯科チームも一歩上へと
レベルアップします。
おめでとう!松尾くん!!
大変よく頑張りました。
来年、私は初級者コースから始めます。
昨日インプラントの手術が当院で行われた。
1ヶ月前に左上に4本のインプラントを挿入したAさんは
昨日、右上の顎に3本のインプラントを挿入した。
しかし右上には十分な厚みと深さの骨が無かった。
インプラントは骨にチタンでできたインプラント体を植え込む処置であるが
右上の顎は上顎洞という空間が下に降りてきていて
骨の厚みが取れない。
今回はソケットリフトと言って上の顎の骨を少し上方に押し込んで
骨の底に人口の骨を補填する方法を選択した。
慎重にドリルを進め、穴を開け、そこに器具を入れて
マレットでコンコンと叩く。
頭をしっかりと押さえてくれるのはベテランのチーフ衛生士のO!
「あうん」の呼吸で、ほぼストレス無しに処置は進む。
スコンと言った感触と共に、骨が抜けたことを手の先に感じる。
シュナイダー膜を破らないように、慎重に慎重に人口骨を補填する。
今回は術後の腫れを防止して、骨の再生能力を最大限に高めるために
オペの前に患者様から血液を採取していた。
これを特殊な遠心分離機に掛けてPRPと言う多血小板血漿を作る。
採血は口腔外科出身で博士号を持つドクターK,作製は歯科衛生士Fが担当!
二人の呼吸も「あうん」の呼吸!
素晴らしいPRPの完成に私もうれしい。
オペは予定の1時間を過ぎて無事終了。
仮の入れ歯の調整まで無事終わった。
術後の腫れと痛みが心配だった私はその日の夜に
患者様のお宅に電話をした。
患者さんのお宅に直接電話することなんて
めったに無いことなので、電話をする私はとても緊張した。
院長の私が直接電話すると、患者様は勘ぐって、昼間のオペは失敗したのではいかと心配するんではないか?
先生、凄く痛いです!腫れがひどいんです!!何て言われたらどうしよう?
痛みで寝込んでいたら、どうしよう??
想像はドンドン膨らんでゆく。
勇気を出して受話器をつかみ、カルテに記載されている
電話番号をゆっくりと確実にプッシュした。
プルプルプル!ガチャッ!!
繋がった!!
私:「その後、腫れと痛みはいかがですか?」
患者様:「まあ、先生!わざわざありがとうございます。大丈夫ですよ。」
患者様は必要以上に恐縮され、私の電話にいたく感動された。
術後の腫れと痛みが予想以上になかったことより
私の電話に患者様が喜んでいただけたことが、私にはよりうれしかった。
診療室の中でも、診療室の外でも
歯科医師と患者様の関係は人と人との関係!
昨日の電話での経験から、当院の歯科治療をもっと心の通った人間らしい歯科治療にしたいと心に強く思う私であった。