「もう遅い」は「まだ早い」
新しくできたグランフロント大阪で
食事をしようと移動する。
南館8階には心惹かれるレストランが多いのだが
日曜日の夜、なぜかどのお店にも
あまり多くお客さんが入っていない。
この立地だと家賃だけで坪数万円?
飲食業は本当に大変だ!!
JIADS(ジアズ)の講演会に参加するために
日曜日朝早くから新幹線で大阪に移動する。
朝の10時から夕方の5時まで
びっちりとジアズ漬け!!
日本には大きな歯科医師のスタディクラブ
が幾つもあるのだが私の中のイメージとしては
補綴に強いSJCDと歯周に強いJIADS(ジアズ)
だろう。
このJIADS(ジアズ)の発足は、小野善弘先生が
日本での歯科診療に疑問を感じて渡米して、
クレーマンとネービンズの診療室で研修を
積んだことから始まる。
私は開業して4年目か5年目にこのJIADS(ジアズ)
のペリオ補綴コースを受講した。
当院の歯科衛生士は必ずこのJIADS(ジアズ)の
衛生士コースを受講することがお決まりになっている。
私には有難いことに歯科の世界でも多くのメンターが
いるのだが、ペリオのメンターは小野先生だろう。
私は小野先生には昔から凄くお世話になっている。
今から15年以上前に私は小野善弘先生を岡山にお呼びした。
岡山大学歯学部同窓会の設立10周年記念講演会の講師として
岡山に来て下さったのだ。
当時、「予知性のある歯周治療」の言葉と共に、
飛ぶ鳥を落とす勢いであった小野先生のスケジュールを
私は奇跡的に押さえることができて、会場になった
岡山プラザホテルは250名を超える参加者で
ごった返した。
この講演会を成功裏に終わらせた当時同窓会副会長だった私は、
同窓会の内外から「よくやった!」と高く評価された。
今回の講演会はJIADS(ジアズ)の今まで歩んできた
歴史を振り返るものでもあり、私自身感慨深い講演会と
なった。
前方には小野義弘先生も参加されていて、多くの方が
ご挨拶をされていた。
私も講演会の合間に、チャンスを伺ってご挨拶をさせて頂いた。
今回のJIADS(ジアズ)講演会で私が感じたことは
歯周病の治療もドンドンと進化している。
JIADS(ジアズ)では多くの素晴らしい臨床医を排出していて
その先生方は世界中で講演やセミナーを行なっている。
ラーニングステージという階段を着実に上り
または一気に駆け上がり、素晴らしい歯周病の治療をされている。
それに比較して私は何だ??
この症例は凄い!この症例も凄い!!
と単なる傍観者になっているのではないだろうか?
10年後、20年後と言う長期症例を見る度に
私の心は暗くなった。
私には10年、15年、20年と治療を終えた後に
長期間メンテナンスを受けてもらっている方が
一体何名いるだろうか?
今から凄い仕事を例え仕上げることができても、
15年後、私は一体何歳になっているのだろうか?
時、既に遅しか??
新大阪の書店で「看板のない居酒屋」と言う
本を購入して、読みながら岡山に戻る。
その本の中にこの一文を私は見つけた。
「もう遅い」は「まだ早い」
こうなりゃ、80歳まで現役を続けるか?