ありがとうアンケート
月曜日なので
普通より早めに診療室に出る。
普段でも早いスタッフは
朝の8時半には来て掃除をしている。
それが、今日は8時半でも
誰もいなく、電気も付いていない。
ある先輩から聞いた話が、ふと頭を過る!!
その先輩の歯科医院では
ある朝、スタッフ全員が診療を
ボイコットして誰一人診療室に
現れなかった。
実は交通事故の大渋滞で出勤が
遅れるスタッフが続出したためだったが
月曜から変な汗を背中にかいた。
スタッフが全員揃わないまま
朝礼を始めて、今日から始まる
「ありがとうアンケート」について
担当のスタッフが説明をした。
今日から当院では2週間から3週間に
渡って来院された成人の方全てに
「ありがとうアンケート」をお願いしている。
当院では来年開院20周年の節目を迎える。
「ありがとう」の言葉と、笑顔が溢れる
日本一の歯科医院を目指して、スタッフが皆
力を合わせて頑張ってきたつもりだが
まだまだ未熟な私たちは、患者さまから
今でも多くのクレームを頂く。
今年の医院全体の目標は「一致団結のチームワーク」と
「患者さまに納得してもらう歯科治療」の提供である。
来年は私は「地域で一番愛される歯科医院作り」を
大きな目標として頑張るつもりでいる。
岡山のこの地域で一番愛される歯科医院作りを
するためには、目の前の患者さまに
直接聞くのが一番手っとり早く、正確だと思う。
だから、今回も患者さまに直接アンケートをお願いした。
本当は毎年のように大きな規模で患者さまに
アンケートをお願いすればいいのだが
前回のアンケートから今回のアンケートの間に
1年以上、2年近い感覚が空いてしまった。
どうしてか?
答えは簡単だ!!
アンケートの結果が怖いからだ。
誰でも自分を誉めてもらうことはうれしいのだが
批判されたり、悪口を言われることは人間は
本能的に避けるものだ。
「敢えて改善点を指摘してもらって
早めに対処すべきだ!!」
もちろん、それはよく理解できるのだが
無記名でアンケートを取ることは
責任者の私にとっては、本当に怖いことなのだ。
勤務するスタッフにとっても
それは同じ思いみたいで、朝から
誰もが患者さんが書かれるアンケート
の内容がソワソワと気になっていた。
一日が終わり、担当のスタッフに聞いてみた。
「アンケート!どんな感じ?」
「それが皆さんに、凄く協力してもらっています。
ほとんどの方が、時間を掛けて書かれていました。」
「面倒だから書きたくないと拒否をされなかった?」
「誰一人拒否されていません!」
ほっとした。
でも本当は結果が凄く怖い!