中四国インプラント学会で当院のオールオンフォー治療成績を発表予定です
中四国インプラント学会で当院のオールオンフォー治療成績を発表予定です
岡山市の岡山なかの歯科・矯正歯科クリニックでは、これまで多くのインプラント治療、とくに抜歯即日に仮歯まで入る「オールオンフォー即時荷重インプラント治療」に取り組んでまいりました。
当院には「短期間でしっかり噛める歯を取り戻したい」「総入れ歯が合わずに困っている」「見た目と噛む力を同時に改善したい」という患者様が県内外から多数ご相談に来院されています。
本日も今年47回目となるオールオンフォーのオペが無事に終わりました。
今年、中四国インプラント学会にて、当院がこの5年間(2020年~2025年)に行ってきた155名のオールオンフォー治療の
臨床成績について発表を行う予定です。
オールオンフォーは高い成功率と満足度を誇りますが、学術的な価値を生むためには「成功した症例の紹介」だけでなく「難航したり除去に至った症例を正面から分析すること」が非常に重要です。
■ なぜ「成功例だけ」では十分ではないのか
インプラント治療、とくに即時荷重(抜歯当日にインプラントを埋入し固定式の仮歯まで装着する方法)は、経験を重ねるほど予知性が高くなる優れた治療法です。
ところが学術報告では、成功症例が圧倒的多数であり、「撤去(リムーブ)を余儀なくされたケース」がほとんど議論されていません。
実際には、インプラント治療は患者様ひとりひとりのお口の状態、骨の質や量、噛み合わせ、全身疾患、生活習慣などによって経過が大きく変わります。
医学は「なぜうまくいったか」だけでなく、「なぜうまくいかなかったか」を共有することで大きく前進する学問です。
当院はこの考え方を大切にし、今回の学会発表ではあえてインプラント撤去に至った2症例を中心に提示し、学術的検討を加える予定です
■ 155名中4症例のインプラントを除去、その中の2症例を発表 ― 極めて高い成功率の裏にある教訓
5年間で155名という症例数は、中四国エリアでも多い部類に入る実績といえます。しかし、その中に4名だけとはいえインプラントを撤去せざるを得なかった患者様がいらっしゃいました。
撤去症例を分析することは、クリニックとしての学術的誠実さであると同時に、未来の患者様の成功率をさらに高めるための貴重な学びとなります。
分析の結果、除去に至った大きな要因は骨の初期固定の得られにくい部位的条件、全身状態の変化や治療後の噛み合わせ習癖
術後管理と患者様側のセルフケアの噛み合わなさなどが複合的に関係していることが分かりました。
「課題を明らかにすること」こそ、医療レベルをさらに一段上げるための学会発表の使命であると私は考えています。
■ 学会発表の目的は「治療の質のさらなる向上」
今回の発表は、広告的な意味ではなく、「より安全で失敗率の低い治療につなげるための臨床報告」です。
学術の場で議論することで、他院の先生方の意見を伺い、自院の今後の治療に還元していく目的があります。
当院は技術的な進歩に加えて、CT撮影やガイド手術、3Dプリンターを活用した精密な治療計画など
「デジタル歯科」を積極的に取り入れ、患者様の身体的・精神的負担を軽減しながら精度の高い治療を行っています。
今回の学会は、その取り組みを客観的な視点で振り返る貴重な機会です。
■ 今後も患者様の利益を第一に
オールオンフォーは確かに優れた治療法ですが、「誰にでも必ず適応できる万能治療」ではありません
だからこそ正確な診断、術前準備、術後のメインテナンスが欠かせません。当院はこれからもより安全で
失敗率の低い長期安定性の高いインプラント治療を提供できるよう、臨床研究と学術的検証を続けてまいります