親知らずの抜歯について
こんにちは、なかの歯科・矯正歯科の院長、中野浩輔です。
先日、日曜日の深夜に海外から帰国して
自宅に戻ると、一通の書留の郵便が
岡山地方裁判所から届いていました。
「え---っ!最近はスタッフ皆が気を付けていたのに
どの患者さんから訴えられた???」
震える手で封書を開けると、そこには数か月前に
当院に初診で来られた方のレントゲンやカルテ等の
全ての資料を送付するように書かれていました。
その方は当院とは別の歯科医院で親知らずの抜歯を行い、
術後にしびれが出たと言われてセカンドオピニオンを希望されて
来られました。
その時は前医の批判にならないように注意しながら
高次機関の大学病院の口腔外科を紹介しましたが
結果として裁判になったようです。
私の友人の歯科医院でも、今年親知らずの抜歯に
関して裁判が行われました。
友人の歯科医院は大規模な歯科医院で若い勤務医の
歯科医師の先生が親知らずの抜歯を行い
同じように術後にしびれが生じて裁判になったようです。
上の親知らずで神経麻痺はほとんど起こりません。
起こるなら下の親知らずで神経に近い場合です。
私は日本国内での保険での親知らずの抜歯は
完全なるボランティアと思っています。
私が15年前に言ったアメリカのサンフランシスコでは
親知らずの抜歯は1本15万円、60分で
4本の親知らずの抜歯を済ませて先生には
60万円のお金が入ってきました。
それに比較して、日本では親知らずの抜歯は
患者さんは1500円から5000円程度の負担
歯科医院には1本で4600円から12000円の
お金が入ってきます。
時給が高い勤務歯科医師や歯科衛生士の時給を
考えると、ほとんど歯科医院には利益はありません。
しかし、勤務する歯科医師の将来を考えると
親知らずの抜歯を経験する機会は多く与えたいと
思っています。
しかし、しかし、若い勤務医が訴えられると
メンタルが弱い歯科医師であれば
2度と親知らずの抜歯は怖くてしなくなるでしょう。
当院では神経に近い下顎の親知らずの
抜歯はしないことに決定しました。
大丈夫です、その場合は責任を持って
大学病院や病院の口腔外科にご紹介いたします。
患者さんの体のために、当院の若い勤務歯科医師を
守るために、是非ご理解下さい!